莢から出すときに、思いがけなくも、どきりとする。まるで胎児のようにまあるく眠っている、ふかふかした莢の中の褥で。それを割って取り出すという、むごい仕打ち。なにかしら罪悪感をもちながら、豆を取り出していく。それが、今日のわたしの姿。そんなふうに後ろめたいところがある、あなたへの恋心。空豆がわたしの家族の糧となるように、あなたへの気持ちも、わたしたちの絆の糧になって欲しい。