暗号 − Homepage



2003年09月17日(水) どうしてそこまでして生きていくのか



リリィシュシュのすべてを見ました。
あたしは吐きそうになった。
気持ち悪いと思った、心から。
ビデオを見る自分の存在が薄くなってるみたいに思えた。
あたしは表面だけの学校生活をもう何年もおくってしまった。
痛いとか怖いとかそういうのはたいしたことないのだけれど、
精神的にクるものがあった、やばいって思った。

感動したのに涙は少しも出なかった。
嗚咽したいほど気持ち悪かったのにあたしは真顔で画面を見つめた。
御飯もちゃんと食べた。
でもすっきりしなかった。

これがあたしたちの生きている世界ですか?
これがあたしたちのリアル?
じゃああたしはいままでどこで生きてきたんだろう。
あたしは何を見て、何を考え、どんな友達と一緒にいた?
嗚呼、そうか。
全部嘘なんだ。
あたしの世界みんな壊れればいいのに。

どうしてそこまでして生きていかなくちゃいけなかった?
どうしてそうやって死んでいかなくちゃいけないの?
どうしてそうやって街も人も変わっていくの?

どうしてあたしは生まれて、生きていかなくちゃいけないんだろう。

しんじゃえば楽なのにどうしてそこまでして学校に行くんだろう。
リリィだけが全てだなんてくそくらえだ。
(リリィファンの人、ごめんなさい)
救いを求めるなんて間違ってる。
救いがなくちゃいけていけないなんて絶対可笑しい。
虐めと裏切りの連鎖がこんなに悲しいなんて思ったことはなかった。
星野が全て悪いだなんて思わない。
そこにはたくさんの思いと言葉と音楽がある。
誰も悪くない。

どうしようもないことはわかってた。
だから殺したことも殺されたことも全て仕方なかった。
そう思うしかない。

こんな世界であたしは生きている。
でもあたしはきっとこんな痛みも思いも知ることなく生きていく。
平均台の上でバランスをとりながらあたしは踊らされている。
人間は空を飛べない。
けれどいつか平均台の上からあたしは飛び降りていく。

寂しさを虚勢を張って隠して強くありたいと思う人間はそんなに少なくない。
虚しいと、寂しいと、声に出せる人間は強いと思う。
何を信じるかも、どうやって生きていくかも全部自分が決める。
それが生きていく、ということだと思う。
あたしは彼らの答えが間違っているなんて思わない。
だから哀しかった。
殺人も自殺もレイプも援交も、虐めも。
何も間違っていない。
自分の信じた道の先にある答えがそれだったってだけだ。

星野は助けてほしかったの?
殺してほしかったの?
あたしは星野の思いだけがわからなかった。
彼が何を考え何に救いを求めどうやって生きていきたかったのかが少しもわからなかった。

こんな痛い世界で生きているのに
音楽は優しくて
田園はただ広がって
空の青も田園の緑も泣きたくなるほど美しすぎた
この世界が汚いなんて誰が言えるだろう。
あたしは今、恐ろしく甘美で美しい世界に生きているのかもしれない。

あたしはこの映画を見て、何も受け取れなかった。
この先どーすれば良いのか全然見えてこなかった。
ただ、沢山の現実を見た。
これがあたしの世界のリアルというならば、あたしは生きなくちゃいけないのだと思う。
あたしより痛い人が、あたしより真面目にそこで生きているから。

自分の存在の意味なんかわからなくていい。
今日の空はこんなにも青い。

頑張るしかない。
生きるしかない。
それが全てだ。






Before After Index









My追加

photo by nezi-shiki