2003年11月21日(金) 誰かを思って泣くということ
泣きたい位悲しくなる夜は沢山あったけど、涙はけしてみせなかった。
嗚呼、あたしは何にこんなに負けたくないんだろう。
少しのことで傷つく心も
過去を悔やむ不甲斐ない思考回路も
ちぐはぐだけれどとても悲しい言葉を紡ぐ口も
悲しいことばかりを見る目も
大切なものなのに。
あたしは泣きたくて泣いている。
悔しいんでもなくて悲しいんでもなくて、ただ、泣きたいと。
あたしは笑いたくて笑っている。
楽しいのでもなくおもしろいのでもなく、ただ、笑いたいと思って。
頬を緩ませるのは脳が命令しているからで。
一連の動作はどれも機械的で。
使い古しのロボットとあたしたちは何が違うというんだろう。
生きていきたい。
人間として。
辛い事は沢山あったけれどあたしは泣かなかった。
苦しいことは沢山あったけれどあたしは弱音をはかなかった。
あたしは強いんだから。
絶対、大丈夫なんだから。
負けないんだから。
きっと、大丈夫。
あたしは間違ってなんかいない。
過去はいつもとても綺麗。
あたしを助けてくれる人は沢山いる。
だから大丈夫だよ。
浅葱唯は誰よりも強いもの。
あたしはヒーローになるんだ。
世界で一番強くてカッコイイ人間になるんだ。
ヒーローに。
嗚呼、できるならもうすこしあのままでいたかったのに。
嗚呼、明日なんか来なくていい。
後悔を重ねる「今」なんかいらない。
沢山の人に嫌われようが蔑まれようが、誰かたった一人のヒーローになるんだ。
通じるものなんか何もいらない。
愛してるんだ。
どうして未だ未練たらしくもこんな言葉を紡ぐのか。
今までだって悲しい夜はあったけどあんなに泣くのは初めてだった。
あんなに悲しいのは初めてだった。
何かに負けたくなかった。
よくわからないけれど、あたしは何かに負けたくなかったんだ。
心のそこから強くなりたいと願った。
愛してるなんて言葉にしなくても生きていけるようになりたいと。
昔のあたしはこんなんじゃなかった。
言葉にしなくても生きていけた。
今のあたしはあの頃のあたしにはなれないけど。
嫌いだったものを好きになることも
好きだったものを嫌いになっていくことも
すべてを愛せないことも
強く生きられない弱さも
悲しい。
Before
After
Index
 |
photo by nezi-shiki