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2004年03月07日(日) 涙を受け止めて



生きていくしかないのだ。

笑って、叫んで、例え狂ったとして、生きるしか道は無い。

あたしは何も掴むことなど出来ないし

沢山のものを傷つけ、壊し、失って、それでも

それでも此処にいたい、と、強く思う。


愛の無い世界はあまりにも退屈だ。
あの子を失ってからもう何年になるだろう?
年月を数えるのさえ煩わしいと思った。
何故隣にいて、やるべきことが出来なかったのか。
お互いに忘れられない思い出を作ればよかった。
あの子の記憶からあたしを消さないで。
愛されようなどと今更少しも思わない。
憎しみで良い。
恐怖でも良い。
とにかく強烈な思い出としてあなたの中にいさせて。

忘れて良いなんて嘘よ。

少しも忘れないで。

握った指のあたたかさも。
一緒にやった花札も。
お祭りも。
話した言葉全て。
忘れないで。
無くさないで。

愛がほしい。

誰かあたしを愛してください。

でもそれは嘘なの。

愛なんかいらないの。

固有名詞なの。

あたしの欲しいもの。

あの子だけ。

愛をどんなに注がれても駄目だった。
愛されることは心地よいし、楽だよ。
でも駄目だった。
申し訳なかった。
愛を待たれることがとても苦痛だった。
期待に応えられないことがとてもとても悲しかった。
嗚呼、あの子はあたしのことを苦痛と思ってる?

世の中は本当に上手くいかない。

馬鹿みたいに泣きたくなった。



どうして。

いつも一番欲しいものだけ手に入らなかった。



あなたに会いたい。



会って、泣きたい。





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