英国留学生活

2002年07月18日(木) この国の医療制度

今日は、病院に登録。
今日、メディカルチェックがあるのかと思っていたら、違った。
ちょっと体調が悪いから、丁度いいかと思ったのに。

この国の医療制度は、食事ほど有名ではないが、
かなり問題ありだ、と思う。野戦病院だという説もある。
料金を無料にしたため、医療の質が下がったようだ。

以前、友人が急に歩けなくなって、救急に運ばれた。
それから何時間かたって、彼女の彼氏から私に連絡が入り、
UCH(ロンドン大学・UCLの大学病院だったと思う)のERに駆けつけた。
患者が溢れ返る待合室の受付で、彼女の居場所を聞くと、
病室に写されていなくて、 ER内にいるという。

カーテンで仕切られたベッドに行き、
「原因は何なの?いま、どんな状況なの?」と聞くと。
「さあ?研修医が4回ぐらい、脚気の検査をしただけだから。」と言われた。
は?なんですか、それは?
研修医が入れ替わり立ち代り、小さな木槌で膝を叩いていったらしい。

その後ようやくお医者さんが来て、
問診をしたが、また膝をたたくという。
「もうそれはいい。」とうんざりと答える友人。
でも結局押し切られ、膝をたたいて、針で足をつついて感覚を調べる。
CTスキャンを取るけど、いつ取れるかわからないと言う、
お医者さんに、彼女はもう酷く疲れたから、
今日は家に帰りたいと訴えるが(この時点で夜の11時)
[You can't go home, absolutely, definitely]と言われた。
そもそも、救急病院に連絡したら、
彼女の自宅の近くの病院では10時間、UCHでは5時間待ちだと言われ、
こちらに来たらしい。
それは、救急ではないんじゃなかろうか。
結局待合室で、何時間も待った挙句、診察室でも何時間も待ち、
CTの設備がないだか、空いてないだかで、
夜中の2時過ぎに別の病院に移されたらしい。辛い。

ERのパクリのドラマを作っているくらいなら、
あのスピード感を実際の現場で真似て欲しい、と思う。
あの複雑怪奇な人間関係は真似なくていいから。
別の人は火傷をして、救急で2時間待った挙句、
隣に立っていた人がついに倒れて、
頭から血を流したのを見て恐れをなして帰ったらしい。

プライベートでは、高いお金を払えば
フレキシブルな治療が受けられるとも聞く。
無料よりも、2.3割自腹でいいから速やかな治療を受けたいと
思うけど、その金額も払えない人にとっては、
このシステムもありがたいのかもしれない。

今日、この期に及んでエッセイ・トピックを変える。
グローバリゼーション。
使い回しではなく、
それだけ興味のある分野だということにしておいて下さい。


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