英国留学生活

2002年12月05日(木) クリスマス・キャロル

ここ数日、胃を壊していてへろへろしておりました。

今日は、大学の知人に誘われて、クリスマスキャロルに参加。
私はクリスチャンではないのだけれど。
法学部のその人とは、スチューデント・ユニオンで知り合い、
何故かヨーロッパ絶対王政の話で盛り上がり、
ウールジー枢機卿の話に至った挙句に、教会に誘われて、
以前、一度教会に行ったことがある。
宗派を問わない教会で、建物自体も市民ホールのような所だった。
キリスト教に興味はあるが、改宗はしないだろうと確信している。
無宗教かといわれればそうではないと思うのだが、
特定の宗教、宗派を信仰しているわけでもなく、
アニミズムというのが、一番近い感覚かもしれない。
キリスト教に限らず、宗教の独善性と排他性には、
時に鼻白む事もあるが、信仰心の強い人間は時に羨ましい。

レスター郊外の広い一軒家のダイニングとリビングにて。
アンティークっぽいピアノと、電気の暖炉と、
大きなクリスマスツリーと、セピア色の写真と。
クリスマスキャロルを歌い、合間に何人かが聖書を読み、
祈りを捧げ、最後に紅茶とミンスパイやショートブレッドを頂いた。
母校の校長兼学長がキリスト教徒だったため、
クリスマスキャロルには、馴染みがあり歌えた。
普段のミサ曲はそうはいかないが。
少し、懐かしい。

アメリカ人とイギリス人とで宗教について話す。
日本の宗教について聞かれたが、しかし難しい・・・。
そもそも、神仏習合って英語でなんて言うんだ?
草木国土悉皆成仏とか。
子供のように、酷くたどたどしい話し方になってしまったけど、
とりあえず、「宗教の定義とは」から入る。
イギリス、というよりもおそらく一神教ベースの人間とは、
おそらく「宗教」という言葉の意味からして、違うのだと思う。
去年、比較文化の授業で、神道の精霊信仰の側面の話をしていたら、
それは宗教とは呼べないといわれて、ちょっとむっとしたのだ。
自然信仰に纏わるものが、呪術や迷信と呼ばれることもままあるのは、
現在アメリカで禅やヨガが流行っていたり、
英国で風水がはやっていたりする、New Ageism
(←一般用語か、彼女の造語か知らない。辞書ではNew age movement)
で、むしろ逆に安易に曲解されているだけではなく、
「金枝篇」のフレイザーの精霊信仰は唯一信仰へ進化を遂げる
端緒であり、未開民族のものという考え方がいまだ残っている
せいではないかと思う。
「金枝篇」は文化人類学における必須と言われている本なのだけど、
ええと、この人は伝播主義人類学に分類していいんですか?
>文化人類学畑の人。(私信)

話が逸れた。
そんな感じで、死生観とかリーインカーネーションとか、
宗教的な習慣の意味とか、何を持って信仰心が厚い社会と言うかとか。
気付いたのは、私の持っているキリスト教の知識は、
カトリシズムに偏っているらしい。
「煉獄」という概念が、カソリック以外にないと始めて知った。
お茶受けのミンスパイ、スパイスを工夫すれば日本人の口にも
あうと思う。クリスマス・プディングもそうだけど。頑張ろう。

今日読んだフーコーの感想も書こうと思っていたけど、
それは明日。


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