英国留学生活

2002年12月25日(水) 愛国者と処刑人

買いだめしておいた小説を7冊ばかり読み終えたので、
そろそろ映画にでも移るかー、と最寄のレンタルビデオやさんに。
「パトリオット・ゲーム」と「処刑人」を借りてきた。
この二つ、私としてはそこはかとなく繋がりがあるのだが、
風が吹けば桶屋が儲かる程度の関連性なので、
余人にはわかるまい。

「パトリオット・ゲーム」
うーん、あんまり話としては面白くなかったな。
こういう話が好きではないのかもしれない、途中で飽きてしまった。
で、目当てのショーン・ビーンはあの微妙に長い髪は、
軟弱な印象を与えたが、復讐に燃える彼の眼光はとてもよい。
ライアンを瞬きもせずに睨み付けるあたり。
見ている最中に母が通りすがったので、これがショーンだと教える。
「まあ。目付き悪いけど、中々精悍で良いじゃない。」
よし。母とは以前英国から電話した時に、
「私、今度ショーン・ビーンという人の主演のマクベスを観に行くの。」
「ショーン・ビーン?その俳優が好きなの?
私、あなたは面食いかと思っていたわ。」
「・・・なんですって?(怒)」
「あの人でしょう?"アイ・アム・サム"の人」
「・・・それはショーン・ペン。」
(すみません、ショーン・ペン、及びにファンの皆様方)
という会話を交わしたことがあったからだ。
しかし、「ラブ・コメの女王メル・ギブソン」(←メグ・ライアンと間違えた)
と言って、友人の爆笑を買った私はいまいち非難できない。

そもそも、このタイトルってショーン・ミラーを抜かしたIRAを指しているのか?
ショーンもライアンも思いっきり、私怨で動いているよね。
愛国心なんて、まったく見受けられないのですが。
ライアンの公私混同っぷりはすごい、自分の為に権力使いまくり。
莫大な税金を消費する衛星写真の利用とか、メディアをバックにした
IRA幹部への脅しとか。
あの上司はなぜにあそこまでライアンを盲信しているのでしょう?
まあ、ショーン・ミラーは狂犬ようなやつですが。
気になったのは、あのイングリッシュの女性は何故IRAに入っているのか。

「処刑人」
この映画、"Fu●k",と"F●ckin'"を取り除いたら、長さが2/3になると思う。
何よりも、何よりもまず、FBI捜査官がきょーれつ。
彼の分析シーンが一番好きかも。オペラかけて思いっきり浸ってるし。
両手に雑巾握らせたら、ワイパーの代わりになりそうな手の振り具合。
あと、グリーンリー刑事をいびっているところも好きだ。いやみだね。
女装姿が一番インパクトがあったのは勿論のことだ。
ガーター、自分で買ってきたの・・・?

兄弟。余り、名前を認識しなかった。
二人とも精肉工場は、退職したの?
TTTの馳夫さんも人間離れした体力・回復力だが、この2人も負けていない。
特に兄。うわー、便器抱えて4階から飛び降りてるよー。
なんだか、そのわけのわからなさ加減が、好きだ。
役者さんの国籍は知らないけど、弟はアイリッシュのイメージに合う。
かわいらしいけど。顔もだけどむしろ声が特に、可愛い。
基本的に活字中毒の私は、映画を見ていても映像よりもストーリー展開を
気にするほうだと思うけど、この二人に関しては映像がいいなあと思った。
・決めポーズと言うか、左右対称に銃を構えた立ち姿。
・特に、父(多分)と対決した時に、ロッコの肩に腕を乗せての射撃シーン。
・殺戮後、薬莢を握りながら十字を切る兄。
・法廷で、銃を構えながら演説をぶつ弟。
あたりかな。

まあ、冷静に見れば神の名の元に、法を無視して私刑を行うと言う、
とんでもなく危ない話なのだけど、個性的な登場人物にまあいいかな、と思う。
「無関心の罪」というのは確かにあると思うし。
それにラストシーンの街頭インタビューで、賛否両論言わせているのも、
良いと思った。これで、例えばマフィアの被害者の遺族が絶賛しているだけ、
とかだったら、引いていただろうけど。
アイリッシュなBGMも良かったし、
精霊をフィーリーって言っているあたり、アイリッシュ?(言ってない?)
あと、ボストン市内のオレンジライン(電車)が出ていた気がする。
母校のボストンのサテライトキャンパスに行ったとき、
オレンジライン(およびその界隈)は危険なので乗るな、と言われたなあ。

結構面白かったです。意外な掘り出し物。(後者)


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