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2004年11月24日(水) 駅弁物語

あゆが二日続けて更新するという偉業を遂行したためにリズムが狂ってるゆみなです。こんばんわ。


くどいようだが、大阪であゆと会って来た。
今回、急に大阪に行こうと思い立ったのは、あゆとチャットをしてて、
なんとなく直に話したいと思ったのが理由だ。
決して、JR東海の「そうだ京都に行こう」のコピーに思わず「はい」と返事したからではない。
メインはあくまであゆである。
ちなみにあゆが行った北海道格安ツアーのメイン料理は「ホッケの開き」だったらしい。
あゆとの会話は、ほんとに楽しかった。予想していたとおりである。
が、しかし。
今回の旅行で心残りだったものもある。


今まで何度も大阪には行ったがいつも飛行機だった。
それが今回に限って飛行機ではなく新幹線にした一番の理由は「駅弁を食う」であった。
私は無類の駅弁好きだ。
どのくらい好きかというと旅行に行くわけでもないのに、
わざわざ駅まで行って駅弁を買って家で食べたり、デパートで「全国駅弁祭り」などというイベントがあると魂がウズウズしてくるのだ。
しかし、家で食べる駅弁はいまいち美味しくない。
てか、まずい。
(それでも駅弁という名に騙され、買いに行っては「うまくねぇな」と後悔している。)


やはり、電車に揺られながら外の景色を眺めつつ食す弁当が最高だ。
せっかく大阪に行くのなら新幹線にして、窓から見える風景を憂いながら物思いにふけ、新横浜あたりに着いた頃、(早いし)
東京駅で買ったばかりの駅弁(1100円)をおもむろにビニール袋から取り出す。
その表情は、どこか思いつめたような趣を醸し出している。
ゆっくりとヒモをとき、ビニールの醤油を優しく切るものの、
少しこぼれて指に二滴ほど付着した醤油を舐める仕草も寂寥感に溢れているのだ。
ああ、これほど哀愁漂う一人旅があろうか。


おそらく周りにいる男たちの目は私に釘付けになるだろう。
もしかしたら、「ねぇ一緒に駅弁食べない?」とナンパしてくるヤツもいるかもしれない。
いや、「よろしかったら俺のお茶どうぞ。飲みかけだけど」と物でつってくるヤツも現れるだろう。
しかし、そんな男たちを前に私は毅然とした態度でこう言うのだ。
「いいえ。私はそんな軽い女じゃありません」と。
実際三ヶ月で6キロも太った私は軽くはない。


こんな月9のような出会いがあったかもしれない新幹線の旅だが、あゆに
「弁当は食うなよ」と前日に釘を刺されてしまった。
きっと、あゆは嫉妬していたのだろう。


私はドラマのような出会いよりも友情を選択し、弁当はグッと堪えた。
実際、堪えて正解だったかもしれない。
私の席は一番前の扉のすぐ傍で、通路側だった。
人が通るたびに扉が開いたり閉まったりで、落ち着かないったりゃありゃしない。
それだけでなく、私の隣もカップル。通路を挟んだ隣もカップル。
後ろもカップルで、もしここで私が弁当を食べたら、
「あのおばさん。朝っぱらから一人で弁当食ってら」とネタにされるのがオチだ。


が、しかし。
ここで諦める私ではない。
どうしても「新幹線で駅弁」の野望を捨てることは出来なかった。
帰りだ。
私はあゆと別れたあと密かに弁当を買った。
しかし、その時点では正直あまりお腹はすいていなかったのだが、
もし帰りの新幹線でも食べ損なったら、一生後悔するような強迫観念にとらわれ、ついつい買ってしまったのである。
帰りの電車では席も真ん中あたりの窓側で、弁当を食べるにはうってつけの場所だ。
これでシチュエーションはすべて整った。
一人、窓を見ながら楽しかったあゆとの大阪での二日間を思い出していた。
すると、思い出してまもなく、時間にすると2分くらいで睡魔に襲われ、グーグー寝てしまった。
途中、京都やら米原などの各駅に着くたびに人の出入りが激しく、目は覚めるものの、またすぐに睡魔が訪れ、
グーグー寝る始末だ。
とても弁当を食べるどころではない。
頭の中で「弁当〜〜〜」と叫ぶのだが、睡魔の方が勝つ。
そして、気がつけば、なんともうすぐ新横浜である。
私は慌ててビニール袋からさっき大阪駅でかった駅弁(1100円)を取り出し、もくもくと食べ始めた。
隣に座っていた40代くらいの男の人は、きっと驚いたことだろう。
さっきまでさんざん寝てた女がもうすぐ終点というところで弁当を食べているのだ。
恥ずかしい気も少しあったが、新幹線の中で食べてこそ意義があるのだ。人の目なんか気にしてられるか。
どうせ、もう一生会うことのないヤツなのだ。

とりあえず今回の目的のひとつであった「駅弁を食う」をクリアできたことで、
すべて予定通りに終了した。


あゆ。
本当にお世話になったね。
「ケチ」と「パン屋」と「やっぱり」と「山下さん」にも、みんなにお礼を言っておいてね。
楽しかったよ。





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