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I don't know what faith is. | 2005年09月04日(日) |
海の向こうには、楽園があるという。 その日もまた、一艘の船が港を発とうとしていた。 「私は異教の地に育ちました。信仰を知りません。それでも船に乗ることを許されますか?」 * 焼けた浅黒い肌の少女が、蔑むように冷たい目を彼女に向けた。 「靴を履いているくせにそんなことを言うの?」 「……脱ぎます」 彼女は貰ったばかりのぼろぼろの靴をその場に投げ捨てた。 人込みの中から小さな手がすっと伸びてあっという間に脱ぎ捨てられたそれを持ち去っていく。 それを泣きそうな気持ちで見送りながら、彼女は振り返って「これでいいですか」と少女に尋ねた。 ふん、と彼女はつまらなさそうに鼻を鳴らして、「いいんじゃない?」とぞんざいな言葉を返した。 裸足であれと神は語った。常に大地に触れていよ、と。 自身の柔らかな心を傲慢で覆うことのないようにと。 彼女はそんなの屁理屈だと思ったけれど、それが教えであるなら従わねばならない。 目深に帽子を被った、船長らしき男が彼女の姿を遠巻きに見つめていた。 「……乗せるんですか?」 背後で控える少年が、眉をひそめて彼に問う。 乗りたいというなら乗せるさ、と男は風のような飄々とした声と仕草で肩を竦めて踵を返した。 「アルカディアに続く扉は万人に開かれている。辿り着けるかどうかはまた別の話だがな」 ****** 変な夢をよく見ます。ということで何か書き留めておいてみたり。 これだけ見るとさほどでもありませんが凄い暗くてどろどろした話でした……起きたとき思わずどんより。これ書くの相当気力が要りそうな気がする。 でも目が覚めて最初に突っ込んだのは「靴履くなってどんな宗教だよ」。 ちなみに信仰を知りません云々のところだけ何故か英語でつっかえつっかえ喋っていました(タイトル)(何か頭の中に英文が浮かんでたよ……)。 ネタにはなるものの原形のままだと取り留めがないというかあまりにカオスな夢が多すぎます。 |