朝日新聞の投書欄に、サッカー指導員の方からの投書が載っていた。
サッカーでは、怪我などで起きあがれない選手がいた場合は敵味方に関わらず一旦ボールを外に蹴り出しプレーを中断する。再開時は、普通は最後にタッチした選手とは逆のチームボールになるが、この場合は中断してくれた側にボールを返してプレーを始める。ルールブックには載っていない暗黙の了解のこのフェアプレーの場面に、直前のゴールシーンのVTRばかりが流れる事を憂えての投書だった。こういった場面をもっと子供達に見せたい、と。私もこのルールブックにないルールを知った時には感動というと大袈裟だが非常に感心したものだ。 それ以外にも、倒してしまった相手に手を差し伸べる光景はよく見られるだろう(その手を払い除けるシトもいるが)。
数年前のイタリアセリエAの試合中に、接触プレーで意識不明、心停止状態になったDFを人工呼吸で救ったGKがいる。確か試合には勝てなかったが、彼には翌日のスポーツ紙による採点で10点満点がついた(勝利チームの素晴らしいプレーをした選手でも8点がいいところ)。粋な採点だと言われたし、私も本当にそう思う。 ラフプレーやフーリガンの狼藉などを見てしまうとサッカーは野蛮なものに感じられるかもしれない。しかし一つ一つの試合の中に、目立たないけれどもフェアプレーは詰め込まれている。試合が終わればユニフォームを交換し、握手を交わす。 日本代表が去ったあとのロッカールームはゴミ一つない綺麗さだったという。サポーターが去った後の競技場もそうだといいのだけど。 ついでに我が家もそうだといいのだけど(涙)。
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