■読んだもの

『深山に棲む声』(森谷明子/双葉社)
森谷さん久々の新刊。
昔話(言い伝え)と、その裏にある真実・・・。「朱の鏡」「黒の櫛」「青の衣」「白の針」「囲炉裏の裏で」「黄金長者」という、短編としても読める6編。「青の衣」までは登場人物名ほか固有名詞がカタカナで表記されていて、「囲炉裏の裏で」からはそれらが漢字になるため、伝説といった雰囲気から、実際にあった話的な雰囲気に。途中から先が気になって(他の話とのつながりが知りたくて)、止まらなくなった。1冊を読み終えた時、『蟲師』(漆原友紀/アフタヌーンKC)を読んだ時のような、和を感じさせつつ何かが伝わってくるような不思議な感じ。