ゼロの視点
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2002年11月10日(日) Bullshit!!

 パーティーが終わって家に帰ってきたのは午前5時頃だった。ゆえに朝、というか起きたら、すでにギニョルが始まる頃・・・・。

 さて、昨日のパーティーでの出来事。友人のJPは、SCNFの列車の運転手。彼の家には「FNACか?」というほどのCDがあり、また、そのセレクションがものすごく渋い。そんな彼に、パーティーがはじまる寸前に、

私「どうやら本日のパーティーにCyrille Verdeauxが来るらしい」
JP「彼は、本当に70年代は有名だったんだ、僕も彼のアルバムを2枚持ってい  たけれど、今は売ってしまったけれど、ね(笑)。」
私「プログレはよく聴いていたけれど、はっきりいって彼自身の音楽はあんま  り趣味じゃないんだよね」
JP「僕も以前は面白いと思ったけれど、そんなに僕の趣味じゃないよ。とはい  え、彼が来るんだったら、色々音楽談義したいもんだな!!!」
 
 ま、こんな会話をしたのち、私と夫は、みんなより一足早く会場へ向かい人々を招く準備をしはじめた。

 Cyrille Verdeauxがパーティーにぜひ招いてほしいと、私たちに電話してきたのだが、その時、彼は一足早く会場にやってきて手伝いをして、なおかつ自らの音響セットまで持参して、パーティーで音楽を担当すると提案してきた。

 が、時間になってもなかなか現れない・・・・。どうしたんだ?!?!?!。

 そして、その一時間後、会場の入り口に、メトロや道端にいるようなSDF(つまりは乞食)のような格好をした、うだつのあがらなそうな小柄な中年を発見。恐る恐る近づいてゆき、名前を尋ねてみると、それはなんと、Cyrille Verdeauxだった。ババクールもそこまでいったら、ただの乞食だろう?!って思いっきり突っ込みたくなる気持ちを抑えるのが大変。セーターの毛玉の数は天文学的数字になることだろう。

 気持ちを取り直して、彼の持ち物に目をやるが、どうも電話で約束したような機材がみあたらない・・・・。で、尋ねてみると「ああ、すっかり忘れちゃった・・・・」と蚊の鳴くような声で、ヒヒヒと笑いながら答える・・・(汗)。

 再び、気持ちを取り直して、パーティー参加者が必ず持ってくることになっているシャンパン2本を彼が夫に渡した。夫はそれを冷蔵庫に入れるために手にとったら、なんとそれはシャンパンじゃなくて、Mousseux !!!!!!。シャンパンもどきの、安物Mousseuxを、何食わぬ顔して渡すCyrille Verdeaux。夫もかなーーーりビックリして、なんでシャンパンじゃなくてMousseuxを持って来たのか?、を尋ねはじめる。私は、すかさずその辺にいた友人らにことのいきさつをコッソリ話してみると、みんな彼がMousseuxをシャンパンのフリして持ってきたことに対して、私の想像以上に立腹している。

 以下は、夫とCyrille Verdeauxの対話。

夫「なんでMousseuxなのかな?」
C「酒屋にはシャンパンがなくて、Mousseuxしかなかったんです」
夫「・・・・・Mousseuxしか置いてない酒屋なんて聞いたことも見たこともな  いんだけれどねェ(すでにキレかかっている夫)」
C「僕はピッピー世代だし、お酒の種類なんかよりも、フィーリングや人と人  とのコミュニケーションにおけるバイブレーションが何よりも大切なんで  すよ。」
夫「もし、レストランでさんざん食事して、いざお勘定というときに、キミは  それでもフィーリングが大切云々と言って、金を払わずに店を後にするん  だろうかネエ!!!!(夫、強烈にキレているが、あえて口調を頑張って抑え  ている)。」

 私も、隣でこの会話を聞いていて、そうとうキレてきていた。ある種特殊なパーティーなので、このようなパーティーが開催され場合、シャンパンを持ってくることは、最低限のマナーになっている。たまに、図々しい輩がいて、安くパーティーに潜り込もうとして、時々おこるのが、ドサクサにまぎれてシャンパンのように見せかけてMousseuxを持ってくるという手口。バレなければ、それでOKという輩であり、なおかつパーティーで思いっきり楽しんでしまおうといういわば"Pique-assiette"(直訳は食事泥棒)。

 ま、こんな感じで夫とCyrille Verdeauxの会話は30分ほど続いたが、あくまで胡散臭い、意味不明なニューエイジ的言語で言い訳を続けるCyrille Verdeaux・・・・・。リーインカーネーションだとか、宇宙の真理だとか、そりゃもうスンゴイ説明。私は怒りを通り越して、もう最後には爆笑してしまったほどだ。

 ちなみにCyrille Verdeauxが同伴してやってきた女性は、占い師&タントラマッサージ&セックスセラピストと称して、かなり金儲けをしていそうな人。以前一度、彼女と議論してみたけれど、その根拠のないというか、いい加減なレベルでヒンズー教だのの上辺だけの知識のパッチワークに、眩暈を起こしたことがある。

 彼女は、Cyrille VerdeauxのMousseuxが発見されてしまった瞬間、恥と思ったのか、さっと会場から消えた。Cyrille Verdeauxは、彼女のことを「古代エジプトのプリンセスの生まれ変わり」と言っている・・・・。で、思わずCyrille Verdeauxに私は、「じゃ、あなたは古代エジプトの乞食の生まれ変わりですか?」って突っ込んでしまった・・・・。

 結局、Cyrille Verdeauxは、これらの問答を続けていくうちに、その他大勢の人々の失笑を買い、ふとみんなが眼を離した隙に、その姿を消していた!!。

 さて、可愛そうなのが、列車の運転手JP。彼に会うのを楽しみにしていたのに、彼がきたのはCyrille Verdeauxが入場拒否されて、姿を消した後。結局JPは一度も生Cyrille Verdeauxを見ることもなく、ついさっき起こったイキサツを皆に聞かされるだけとなってしまった。

 パーティーの始まりには、これらのことでちょっと騒然としたものの、あとはいつものようにどんどん盛り上がっていき、午前4時頃まで宴は続いた。

 教訓:日本も、フランスもニューエイジ系の人には要注意?。


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