ゼロの視点
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2002年11月12日(火) Vieille France

最近は、本当に雨が多い。

 近いうちにパリに100年ぶりの大洪水が発生するという噂も、現実になってしまうのだろうか?。地下水もすでにいっぱいで、セーヌ川の水位もかなり上がっているし・・・・。すでにあらゆる方面(SNCFやRATPの公共交通機関、そしてフランステレコムの地下ケーブル、EDFの電気非常対策、また病院での緊急時における自家発電機能など・・・)での洪水対策が実施されているものの、実際の洪水にはなかなか対処しきれないらしい、とのこと。

 私は、これらの噂を耳にして以来、周期的に気になってしまうことがある。パリの道という道の、いたるところにある「犬の落し物」。これらは、洪水になったら、どうなるのか?。水に溶けたブツの中を、私たちは歩くことになるのだろうか・・・・・。たまらんっ!!!!!。

 さて、夜は夫の友人Mからディナーに招かれていたので、外出。Mは、私たちと同じパリ右岸に住んでいるけれど、まったくタイプの違う地区。私たちの家がさしずめ新宿・歌舞伎町なら、Mのところは、麻布界隈?!?!?!、とでも形容すれば、イメージを掴んでもらえるだろうか・・・。

 ま、そういうわけで、Mはブルジョワ界隈に住む、ブルジョワ。最近は"Nouveau Riche(つまりは成金)"が増えているので、パッと見は昔からの本物のブルジョワか否かが判別し難くなってきている。しかし立ち居振舞いなどお金ができてから、あとで所詮購入できるわけもなく、何度か交流してみるとその「度合い」が手にとるようにわかってきて面白いものだ。
 
 なおかつ、フランスのある意味恐ろしいところは、各階層でのボキャブラリーが全く違うということ、だ。喋り方が違うということではなくて、すでに語彙自体が全く違う・・・、というようなここまで極端な現象は、果たして日本に存在するのだろうか?!?!?!。

 さて、噂によると彼はその部類じゃないとのこと。ゆえに彼との初対面はある意味とっても楽しみにしていた(社会見学のノリ!!)。

 で、実際のMはどうだったかというと、まさに私に"Vieille France"という言葉を瞬時に思い出させるに等しい人物だった。"Vieille France"とは、私の愛用仏和辞典DICOによると次のように説明されているので、参照。

「(礼儀作法などが)古きフランスの名残りをとどめた、ゆかしい」

ということだ。

 こういったものに反発するように、ミッテラン政権の到来とともに形成されていったのが、Gauche、つまりは左派・社会主義政権。しかし近年では、Gauche連中のブルジョワ化が進み、巷では"Gauche Caviar(キャビア好きな左派)"と揶揄されるようになり、それ以外の問題もたくさん噴出してきて、5月の総選挙で左派はかなり議席を減らしてしまったのだが・・・。

 以上の点に、あらためて細心の注意をしてフランス映画を見てみると、面白いので、未だトライしていない方、ぜひお試しアレ。

 少し話がズレてしまったが、この友人Mこと"Monsieur la vieille france"とその彼女(28歳彼より年下)と私たち夫婦でのディナーは、色々と話が進んで、想像していた以上に楽しく時を過ごすことが出来た。私個人的には、Mに戦前からの1968年までの出来事などを、色々と尋ねて、彼なりの意見を率直に聴くことができて、嬉しかった。また、いつか機会があったら、これらのことについてマトメて、HPにアップしてみたいと思う。

 さて、すっかりいい気分になって、我が家に帰ってきてふと思ったことなのだが・・・・。

 最近、立て続けに「おブルジョワな方々」に食事に招待されることの多い私たち。日本もフランスも同じで、「招待されたら、次は自分たちが招待する」のが最低限のマナー・・・・・。ってことはいつか、彼らも我が家にやってくるということになるのだが、あらためて我が家を見渡すと、散らかり放題・・・・。特に、ここ数日はすざまじい。"Bordel"という言葉しか思いつかない。

 マジで、本当に彼らを招かねばならんのか・・・・、この豚小屋に(涙)?!?!?!?。


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