ゼロの視点
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2003年02月17日(月) ソウルメイト?

 ソウルメイトだの、運命の出会い等という言葉をたくさん目にしたり、耳にしたりする昨今。日本もそうだけれど、フランスも同じ。結婚はせず、女性も仕事を持って、男と住むなら、同棲だけで充分、などといっているわりには、意外に長いこと話しこんでみると、白馬の王子様を待ち望んでいるフランス人女性は多い。

 さっきまであんなに格好よく、強気で、美しかった女性が、突然本音を語りはじめ、おまけに眼の前で泣き崩れられたりすると、ビックリすることも多々アル。ウッそーーー?!?!、って感じだ。

 おまけに、女性だけじゃなく、男性もそうだったりするから可笑しい。50代後半の精神科医Gは、4人の子供を4人違った母親から作って、仕事も順調なのに、未だに理想の女性に会えないことを毎日悩み、泣きべそをかいている。

 ところで、わしらの出会いはなんだったんだろう?、とふと思った。夫に出会う一年前、いとこ連中とちょっとだけ“マイブーム”になっていたヒプノセラピーというものがあった。催眠をかけてもらって、前世を探そうというシロモノ。結局、私は前世とやらをまったく見出せなかったが、いつもいつも同じイメージには出会っていた。また逆にいえば、ヒプノセラピーをやらずとも、このイメージは昔からあったともいえる。

 どんなイメージかといえば、私が海の底にいて、徐々に海面に上がってくるイメージ。そして海面から頭を出し、周りの景色をボーっと見ているのが常だった。前世はきっとサカナだったんじゃないか?、とまで思った。おまけによく、ボーっとしている私を、我が口の悪い母は“だぼハゼ”と呼んでいたし・・・・。

 さて、夫に出会った後、わしらは南フランスにある小さい島、L'île de levantにバカンスに出かけた。そこで今まで一度もやったことのないスキューバダイビングを無理やりやらされた私。一日目は、恐怖で出来なかったが、二日目に突然自分だけが出来ないのが悔しくなり、発作的に潜ってしまった。

 夫は上級クラスで別行動、私が潜っている間に、どうやら先にボートにあがっていた様子。私といえば、潜り出したら楽しくなってしまい、ずうっと海に潜っていたくなっていた。しかし、酸素が・・・・。

 というわけで、同行者の講師と一緒に、しぶしぶと海底から海面にゆっくりとあがっていく。頭上の海面を見上げると、夫が手足を動かさずに、ただ水死体のように浮かんで、私を待っている。

 そのイメージに激しくデジャヴュを覚える、私。実は、前述したいつも私が持っていたイメージには、実は海面に“水死体”のような誰かがいたのだ。でも、それが誰なのか、またなんのためにいるのか、よくわからなかったし、全然気にしてもいなかった。

 が、まさか・・・・。これって、もしかして?!?!?!、と思った。そして、海面にあがり、アタマを出して、あらためて周りの景色を見渡してみると、それまた激しいデジャヴュ。

 夫の顔をマジマジとみながら、心の中で、もしかしてコイツと結婚しちゃうのだろうか?!?!?!、と思った・・・・。

 そして、その一週間後、パリに戻ってきた私達。自宅で夫に、漢字を教えてとせがまれていた。どうせ教えるなら、変な言葉と思った私は、パンストの袋に入っていた厚紙の表に“男根”、そして裏に“女陰”と、太いマジックでデカデカと書いてみた。そして、「オトコとオンナは表裏一体〜っ!!」などと歌いながら、その紙をヒラヒラと夫に見せていた。

 すると、夫が突然、「ああっ!!」とくぐもった声で唸る・・・・。おまけにアタマを抱えている。お下劣な彼女に耐えられなくなったのか?!?!?!。

 しばらくして、事情を彼に尋ねてみると、ヤロウは激しいデジャヴュに襲われていたそうである。それにしても、男根と女陰でデジャヴュだなんて・・・・、あなたったら・・・・(汗)。

 ま、そんな奇妙で強烈なデジャヴュが、現在にいたるまで頻繁におこるわしら夫婦。私達がソウルメイトなのかは、よくわからないし、結局、結婚しちゃったから、どうでもよかったりもしている(笑)。

 でも・・・・、ソウルメイトとか、運命の出会い等の言葉の響きに、私はもうちょっとロマンティックなものを想像していたんだけれど、な・・・・、と。

 ゆえに、激しい理想を抱きながら、恋人さがしをしている友人らの悩みなどを聞いていると、ついつい、ニヤニヤと笑ってしまうゼロでした。

  


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