ゼロの視点
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| 2003年05月21日(水) |
成田までは極楽、実家までは地獄 |
昨日は、自宅前にタクシーを呼んでの、楽々紀行。セネガル出身という運転手と、しゃべりまくっているうちに、あっという間に空港へついてしまった。タクシー呼び寄せ&スーツケース等の荷物を含めても、たったの38ユーロで済み、里帰りスタートとしてはまずまず。
さっさとチェックインを済ませ、ビール飲みながらフライトの時間を待つ。そしていざ機内に入ってみると、三人席独り占めだったので、非常に嬉しかった。
機内では赤ワインをひたすら飲み続け、映画をみながら、食事もぺロっと平らげ、気分がよいまま眠りに突入。色々と機内で読もうと思って、手元に用意しておいた資料など、所詮読むはずなし(汗)。寝るだけ寝て、起きた時にはすでに到着前の軽い食事の時間になっていた。直行便は楽で早いだが、本当に何もできん(笑)。
そんなわけで、自宅から成田までの全行程は、非常に楽だった。が・・・・、それからが・・・・・・・。
まず、成田に到着するや否や、多くの同乗日本人客らがマスクをし始める。おお、例の肺炎予防、というヤツですな・・・、と思いつつ、私はマスク持ってないので、なんとなく、息を定期的に止めてみたりする。ま、意味がないのはわかっているが。
空港職員は、マスクしている人もいれば、してない人もたくさんいた。やることだけやって、成田エキスプレスの時間まで暇潰しをしなければならなかったが、なんとなく外にいたほうが、まだ空気がいいような気がしたので、ベンチに座っていた。すると、後ろのほうで中国語が聞こえてきて、ちょっと焦る。偏見だ・・・、と自戒しつつ、でも、中国人から、気分的に遠ざかったりする私。
さて、やっと成田エキスプレスに乗ったはいいが、なんでエキスプレスといいながら、徐行運転のようにノロノロ走るのか?!?!?!。おまけに私が乗った車両は非常に古いカタチで、車内アナウンスは全部日本語だけだった。同じ時間のエキスプレスに、今度の月曜日に夫を乗せようと思っているが、平気なのか、マジで?、と思った。
ヘロヘロになり、とある駅でおり、自宅まで一直線の電車に乗ろうとすると、なんと運転見合わせというアナウンスがっ!!。ここで一挙に血圧が上がる。線路に落下物があり、その点検作業と整備のために、復旧の見通しがわからない、と駅員はほざく。
不幸にも、私がその駅に着く数分前から運転見合わせになったとのこと。くそうっ。アナウンスの説明に不服な私は、駅員のところに詰め寄る。すでに職員らの周りには人だかりができていたので、それを掻き分けるように最前列に進むと、その職員も、まったくアナウンスと同じことを繰り返しているだけ。
職員「復旧には時間がかかります」
私「時間がかかると一言で言っても、具体的にはサッパリわかりませんが」
職員「ハッキリした時間を言えないのです」
私「今から28分後なんていう、正確さを求めているんじゃなくて、どんな落下物があることによって、経験的にそれがどのくらいの時間が“おおよそ”かかりそうなのか?、という説明を求めているのですが、教えていただけませんかね?。」
職員「いやあ、実はホーム内の天上が落っこちちゃったんです・・・・」
私「・・・・・天上・・・・?」
職員「だから、どのくらい復旧までに時間がかかるかわかりません、本当に申し訳ありません。」
こういった駅員と問答をしている間、他の人たちはその会話を静かに聞いている。そこで、ハッと思った。ああ、日本に帰ってきたっ!!、と。
もし同じことがパリであったら、すでに意味不明にみんなが騒ぎ出し、文句を言い出し、駅員も逆ギレしだし、会話の腰を折るように、あっちこっちから質問が飛び交うことだろう。金返せ、公務員はアホだの、便乗して乗客側が職員を罵倒し、職員は職員で、申し訳ありません等という言葉とはかけ離れた「私のせーじゃない」という対応。
どっちがいいのかわからないが、あまりにもステレオタイプな国民性の違いを目の当たりにして、可笑しくなってしまった。とはいえ、運転見合わせを知った瞬間から、猛烈に腹が減ってきて、構内にあった立ち食い蕎麦屋から漂う匂いにつられて、気がついたら、食券自動販売機にコインを入れて、食券を購入していた。一心不乱に食べたカレーうどん、400円なり。
う、う、う、美味い・・・・・・・・・・(涙)。
その後、結局違う路線を何度も乗り継ぎ、実家にどうにか到着。本当に成田から自宅が、パリ・日本間より遠く感じた午後だった・・・・・・・。
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