ゼロの視点
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2003年06月25日(水) 憧れと現実

 古いつきあいの友人MJの家でのディナー。MJは長いこと空手をやっている。昔別れた夫が大変な暴君で、それにほとほと嫌気が差した彼女は、自分で自分の身を守るために空手を始めた。

 彼女の空手の師匠は日本人T。Tの門下生には、日本人が一人もいない。Tは、非日本人の間から神のように崇め祭られている。ちょっと異様ほど。数年前、T自身にあって、日本語でダイレクトに話したことがあったが、どうも私は、彼のことが苦手。

 MJは、私に師匠と直接話させてみて、私がどんな印象を持つかテストしてみたかったのだと思う。が、案の定というか、予想以上に私がKTに対して呆れた感想を持ったので、MJもガックリしていた。

 さて、MJとその仲間は大の日本好き。日本へは行ったことがなく、憧れは人一倍という人種でもある。おまけに、日本人師匠Tから、色々聞きかじった“日本”というものから、現実の日本を超越した、不思議な日本観を長いことキープしている。

 彼女らが日本に抱くイメージは、武士道・・・(汗)。本当に、こういう人はたくさんいるが、彼女らもその一人。マダム・タタミゼ。私は別に人の幻想をぶち壊そうとは微塵も思ってないが、あまりにも幻想が妄想の域に達してくると、さすがに話を黙って聞き流すことができなくなってくる。

 武士道関連の本を読み漁るのはいいが、なぜ、同時に現代日本のことを知ろうとしないのか?、さっぱりわからなん。もし、旅費が高くて日本に行けないのなら、何故目の前に正真正銘の日本人(例えば私)を少しでも利用して、“現代の日本”のエキスを感じ取ろうとしないのだろうか?!?!?!?!。

 “フランスは好き、ただしフランス人がいなければ!!”と思いながら、フランスを旅する、世界中からの観光客が多いというが、ま、日本に対しても、フランスには同じことがいえる人種が存在することが、ここで証明されたわけだ(笑)。

 要するに、現実を知るより、憧れていたいという人物がいるということ。これは、ある意味私にはとっても不思議なことなのだ。憧れの裏とか、現実の裏などにばかり興味を惹かれすぎる傾向のある私ゆえ、両者には深い溝ができてしまう。

 これから死に物狂いで仕上げなくてはならない仕事。実は、編集者から「ゼロさん、あんまり現実ばかり書かないでね」と念を押されてしまった(涙)。もっと夢を書いてほしいらしい。編集者にとっての夢は、時には私には嘘にしかならないから、厄介だ・・・・・。ああ、不毛っ!!。

 

 というわけで、今回は日本でたくさん撮影してきた写真を見せて欲しいというリクエストに答えて、それを披露してきたのだが、案の定、宮本武蔵の話になってしまう(泣笑)。なんで、わしらの写真を見て、宮本武蔵になってしまうのか?。誰も、武蔵の格好なんてしてないぞ?!?!?!。それじゃなかったら、“禅”という表現が、あちらこちらから聞こえてくる・・・・。

 そんなフランス人のニーズにこたえて、さまざまな人がフランスにてビジネスを展開。それに追従して、私がガイドブックのようなものを、フランス人に向けて書いていくという、ジレンマ。ああ、なんか私、魂を売ってしまったような感じがしてならないのは、気のせい?。

 でも、諦めないっ!!。絶対に、ところどころに毒を含んだことを書いてやるのだ(笑)。でも、これじゃ報われない“草の根運動家”みたいだな・・・・(涙)。



 ちなみに、MJとは“憧れと現実”一般の話になるとまったく話がかち合わなくなるが、とってもいい友人関係なので、誤解のなきようお願い申し上げます。
 


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