ゼロの視点
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日仏夫婦M&Fを我が家に招いて、ディナー。日本人妻M嬢が、かなりいけるクチなので、あっという間に私も日本人同士シフトになって、ディナーというより《呑み会》のりに、2人でクイクイとシャンパンにはじまって、後は、赤ワイン、赤ワイン、赤ワイン・・・。
夫は、私が日本人シフトになって飲みだすのが大キライなので、私に向かって無言ながらも、いやぁな視線を送ってくるが、そんなの軽く無視っ♪。楽しい波に乗ってしまったもの勝ちで、M嬢と日本語で盛り上がり、夫とM嬢の夫Fは、フランス語で議論しててもらう。
ほろ酔いのところで、ふと私がピアノを弾きだすと、M嬢が私に向かって一生懸命、とあるドラマの説明をしてくる。
《ほら、あの、水谷豊が出てきて、ゴミ箱あさってたドラマ・・・あったでしょ ?!?!?!》、とのこと。
さすが同世代の友よ!、ってことで、わたしゃ、たったこれだけの説明で、M嬢が私になんの曲をリクエストしているのかがピンときたので、さっそくその曲のさわりを暗譜で弾いてみると、《そうよ、これっ、これっ、これぇぇえええっ !!!!》と、興奮気味な彼女(爆)。
今、一番流行っていて、ものすごく面白いドラマ《のだめカンタービレ》でも、もちろんなく、じゃ、かなり前の1985年に、それなりに流行ったドラマ《少女に何が起こったか》でもなく、もっともっと前の1977年に放映された、大映ドラマ赤いシリーズの一環で存在した《赤い激流》・・・・・・。
1967年生まれの私は、10歳でこのドラマを見たのだが、そりゃあさすがの大映ドラマ、10歳の眼差しからでも、その大げささと、突拍子もない展開に“ケっ”と思いながらも、あまりにもくだらないのではまらざるをえないという、奇妙な魅力を持っていたものだった。
で、同じように、M嬢も同時期にこのドラマを見ていたのだなぁ・・・、と想像する(爆)。で、クラシック音楽を好もうが否かは別として、洗脳されたかのように、このドラマで毎回聞かされた数曲が、M嬢のアタマにこびりついてしまっているのだろう(笑)。
ま、所詮、私もM嬢と一緒だったわけで、私の頭にこびりついていた曲のひとつ、ベートーベンのピアノソナタ第17番《テンペスト》の第3楽章を、M嬢にむけて弾いたところ、前述のような“熱い”彼女の反応を得ることができた・・・、というわけだ(笑)。
で、もちろん、M嬢のリクエストはこのドラマ続きで、ショパンの《英雄ポロネーズ》!!!!。が、これは、酔っ払ったわしのには暗譜では弾けなかったので、楽譜を探してみたもののどうも、楽譜の背表紙のタイトルが酒のせいでみな2重に見えてしまい、なかなか見つけられず・・・・・・・・(泣)。
そんな私に業を煮やしたM嬢が、右手の指一本で《英雄ポロネーズ》のメロディーを、間違えながらも引き出したっ♪。おおおおっ、ブラボー!!!!。もう、完全に酔っ払いの世界で、わしらは、一音でもあってるだけで盛り上がり、そんなわしらを見て、そんなに酔っ払っていない仏人夫陣は、シラーっと冷めた視線をわしらに向けている。
そんなことに気がついても、無視、無視、むしぃぃぃいいいっ、で、ひたすら2人で盛り上がった挙句、ちょっと私が目を離した好きに、M嬢はソファーの上で、死んだように深い眠りについていた。
おやすみぃ♪。
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