すみだトリフォニーホールへ新日フィルのコンサートへ行ってきました。プログラムはオールバッハ。遅れて聞けなかったオルガン独奏コラール前奏曲BMV622(武久源造氏演奏)に始まり、カンタータ51番、ブランデンブルグ協奏曲第5番、管弦楽組曲第3番というもので、バッハの音楽でも徐々に規模が大きくなっていくものです。正直言うとトリフォニーホールのオルガンを聞いたことがなかったので最初のプログラムがいちばん興味がありました。
カンタータはよくわかりませんでした。声を殆ど楽器のように使い早いパッセージが長く続き、その間ブレスをするところが難しそうでした。トランペットがいい雰囲気を出していたので、オルガン独奏を聞いた後なら音色の幅の増加でもう少し楽しめたのでしょう。
ブランデンブルグ5番は最初あまり「シャキ」っとしないなと思いましたが、一楽章最後の方に「チェンバロ」独奏あたりから演奏者全体に元気と張りがでてきたように思われます。ニ楽章・三楽章ともチェンバロの明確なリズムに支えられて楽しめました。管弦楽組曲第3番はなんといってもアリアがすばらしい演奏でした。フレーズの終わりのデミュニェンドと次のフレーズに入る前に挿入される「間」がなんともいえない味をだしていました。これはアンコールで再び演奏されました。独奏から声楽が入るカンタータ、フルート一本追加のブランデンブルグ、ティンパニ、オーボエ、トランペット入りの管弦楽組曲と音色の変化・規模が違うバッハの作品を一夜で楽しめるいうのは非常に贅沢だと思いました。一方で一回の出番で真価を発揮しないとならない演奏家には少々辛いものかもしれません。
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