スリランカは人口の70%以上が敬虔な仏教徒ですが、その仏教徒も聖地として崇める「カタラガマ(カタラガマ神を祭るところ)」に行ってきました。場所はスリランカの南東の端の方です。車でしかいけないのですが、内陸を通っていく道と海岸(ゴール・マータラなど)を通っていく二つの道があり、いずれもコロンボから5時間位かかります。今回は内陸の道を通っていきました。
カタラガマ神殿へはカタラガマの市街地からは車の乗り入れはできません。神殿のある地域はマニック川で市街地と切り離されていて、この川を渡る橋は、三輪車(こっちらでは「バジジ」とも呼んでいます)程度しか通れないのです。車を市街地のホテルやレストハウスに置き、そこで少し休憩し、本来は装束を整えて、川で沐浴してから行くのでしょう。「遠さ」といい、この「面倒くささ」といい、まさしく巡礼の価値(苦労)を高める条件は揃っています。
神殿地区は非常に広大で、中央部にカタラガマ神殿(Maha Devalaya)があります。神殿自体は決して大きくはありません。ここに祭られている神は、インドからきた「スカンダ」神といって、六つの顔と12本の腕を持ち孔雀に乗っているのだそうです(お土産に小さな絵を買ってきました)。ご利益は「願い事が何でも叶うという」とてつもないものです。「悪い願いことでも何でも可」という柔軟なものです。
ここは、ヒンズー教の他の「コービル」(寺院)と違って、非常に単純で、明るい雰囲気を持っているのも特徴です。コロンボ市内のコービルは入り口にすごい装飾を施した門があり、中は薄暗く、火と楽器を使った音楽が、雰囲気を一種異様なものとしており少し近づきがたいです。仏教の偶像崇拝が、突き詰めれば宗教を分かり易くする便法の一つであるのと同じで、カタラガマも分かりやすく、且つ明るい雰囲気を持つことによって、他の宗教の人からも崇拝されているような気がします。
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