私の勤めている会社SLT(スリランカテレコム)は12月末決算なので、この一月から新しい会計年度が始まりました。ということは今年度末決算の真最中なのです。年度末決算は進行中ですが、今日の取締役会で2003年度の事業計画が承認され正式にスタートといった感じです。
昨年10月末に移動体通信会社「モビテル社」を100%子会社化し、12月にコロンボ証券取引所に株を上場したので2002年度決算は大変なのです。しかもモビテル社は6月末決算会社であったところを、買収を契機に12月決算に変更しました。ということは、2001年7月から2002年10月末まで「40%所有」ということで関係会社決算を16ヶ月することに加えて、11月・12月については100%子会社として連結決算を実施するというものです。実際の連結作業はこれからですが、この作業は大変な難しい処理です。
また上場会社として、四半期の財務状況を証券取引所に報告することになります。「発生主義ベース」の決算を月次で実施していくために社内ルールの変更・また多くの人の協力が必要となります。
私が日本の親会社○TT(当時○○公社)に入社した当時、組織は公共企業体で商法・税法の対象外の特別な会計を実施していました。減価償却等の発生主義会計は適用しているものの、予算・決算はた国会に付議され、計算された利益から国庫納付金を納める仕組みでした。それが1985年に民営化され商法・税法が適用される一人前の会社になったのです。
SLT社は1990年に公共企業体から民営化されたのですが、実施的に1997年まで政府100%出資会社であったことからキチンとした財務会計決算が実施されてこなかったようです(この辺は勉強不足で怪しいです)。○TTが政府から株式を購入することとなったことから、財務のチェックがなされました。といっても土地の所有権など今でもキチンと整理されていないものがありました。
そのSLTが5年間の○TTとの「マネジメント契約」を昨年8月に終了し、その冬にコロンボ証券取引所に株を上場したのです。偶然そうしたチャンスに巡り合えたことは大変光栄だと思うとともにが引き締まります。2003年度からは上場企業としてのキチンとした会計を行っていかなければなりません。さらにSLT海外市場への株式上場も視野にいれていることから、国際会計基準に則った会計をしていく必要があります。
○TTで経理を長らくやってきたのですがやはり不安はあります。でも「金庫を預かる」感覚はどこの国でも共通だと思います。昨今のエンロン・ワールドコムに代表される企業会計(特に米・英企業の行き方:イラク問題にダブってしまうのですが)の姿には少し疑問があります。確かに過去・現在・未来の時間軸が複雑に絡み会うことと、多様な金融商品が開発される中、当期に帰すべき事柄を特定するのは難しいでのすが、経理・会計を預かる人間のモラルの問題でもあると思うのです。
私の財産は、にこやかな中に厳しい姿勢を教えてくださった中谷さん、経理の厳しさを教えていただいた中村さんの会社の大先輩の方々、そして直接お会いしてはいませんが、その著書で勉強させていただいた金子さんの教えです。日本の会計は結構普遍的だと思います。
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