さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2002年11月01日(金) にゃん氏物語 桐壺04

光にゃん氏訳 源氏物語 桐壺04

第二皇子の宮中入りは なかなか実現しなかった
若宮の宮中入りは帝の願いであり 未亡人(桐壺更衣の母)も迎えようと
「宮城野の露吹き結ぶ風の音に小萩が上を思ひこそやれ」
(宮中を吹きわたる風の音を聞くにつけ そちらはいかがですか?
              若君はどうしているかな?と思ってます)
こんな 御歌もありましたが 未亡人は次のように言った

夫を早く亡くし 娘も死なせた縁起の悪い私です
帝の娘への御寵愛は十分過ぎて 皆から恨みをかい
寿命での死に方とは思えないのは 御寵愛が恨めしいです

使いの命婦も泣く泣く言った
それは 陛下も仰せになります
あんなに激しく愛したのは きっと前世で二人は長く一緒にいられないと
約束してあったのだ 恨めしい因縁だ 自分は誰も傷つけていない
そう思っていたが あんなに恨みをかい 何よりも大切なものを失い
悲しみに暮れる 前世の約束はいったいどういうものか知りたいと…

月夜の空が澄み切り 涼しい風が吹き 悲しい虫の声 帰り辛く詠む
「鈴虫の声の限りを尽くしても長き夜飽かず降る涙かな」
(鈴虫のように声の限り泣き尽くしても 
       秋の夜長も足りないくらいに 流れ落ちる涙ですよ)
それに答えて未亡人は言わせた
「いとどしく虫の音しげき浅茅生に露置き添ふる雲の上人」
(しきりに虫の声がする芽かやの茂った所に来てさらに露の涙を
引き起こすように置いて行く大宮人でいらっしゃいますこと)


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