さくら猫&光にゃん氏の『にゃん氏物語』
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2002年11月02日(土) |
にゃん氏物語 桐壺05 |
光にゃん氏訳 源氏物語 桐壺05
御所に戻った命婦は まだ眠れない帝を気の毒に思った このごろ帝が御覧になるのは 宗皇帝と楊貴妃の恋物語で その他日本文学でも愛人に別れた人の悲しみが 歌われたものばかりを読まれた
帝は未亡人(更衣の母)に寛大で失礼な言葉を受けながらも同情した 『未亡人への報いは更衣を後宮の一段高い位置に据えることだが それは 夢となった せめて若宮が天子になれば 死んだ彼女に 皇后の位を贈ることもできるのだが…』と想う
帝は命婦が持ち帰った形見のかんざしを見て 唐の幻術師があの世の楊貴妃から持ってきた玉のかんざし だったら 『尋ね行くまぼろしもがなつてにても魂のありかをそこと知るべく』 (探しに行く幻術師がいてほしい 人づてによってでも その魂の ありかがどこか 知ることができるように)
絵で見る楊貴妃は綺麗だけど どれも それほどではない
彼女(更衣)の 柔らかい美 艶な姿態を想ってみると これは花の色にも鳥の声にもたとえられぬ最上のものだった
二人は いつも 天にあっては比翼の鳥 地に生まれれば連理の枝 という言葉で永遠の愛を誓っていた
秋風の音にも虫の声にも帝が悲しみを想っているとき 弘徽殿の女御(第一皇子の)は 夜更けまで音楽遊びをしていた 皆は反感をもっていたが 負けず嫌いでわざとやっているのでした
月も落ちて 帝は彼女の家のことを想いながらずっと起きていた 『雲の上にも涙にくるる秋の月いかですむらん浅茅生の宿』 (雲の上とよばれる宮中でも 涙にくもってよく見えない秋の月は あの荒れ果てた家で どうして澄んで見えることがあるだろうか)
さくら猫にゃん
今日のはどう?
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