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ほうら また 冬が来るよ。 - 2002年08月26日(月) わたくしは生命力の漲るものが好きでない。 物も景色も人も。 なぜだろう それは ある種の嫉妬かもしれないし もしくは それがわたくしを疲れさせるからか。 夏の力強い景色や緑や生き物たちは それはとても美しけれど あのふてぶてしさが好きになれない。 まるで 我が物のように両手を広げて 大地にしっかりと根づいている。 いやなやつ。 おまえたちはきっと 感傷という言葉をしらないのだろうね。 おまえたちはきっと 屍の上にでも 根を張り巡らすだろうね。 おまえたちはきっと 死に行く者たちを尻目に 新しい芽を 芽生えさせるのだろうね。 単純で 鈍感で 利己主義で。 夏も終わりに近づくと 本当のことをいうとほっとするよ。 おまえたちに射し込む翳りを目にして 嗚呼 とおもうよ。 ほうら また 冬が来るよ。 おまえたちを栄えさせたものが すべてなくなって 裸ん坊になるから そしたら私はおまえたちと 厚いコートで身を包みながら ようやくお話ができるような 気がするよ。 静かに お話をしようね。 ひっそりと ひっそりと。 ...
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