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膿。 - 2002年09月27日(金) 空は真っ黒だった。 雨上がりのアスファルトから男性の香水のような香りが 立ち昇ってきた。 しかしそれはしばらくすると 私が着ていたパジャマが 雨の湿気を含んで 匂い立たせて居たことに気づいた。 寂しい静かな夜だった。 少し離れた背の高いビルの屋上には 飛行機への警告灯が赤く点滅し続けていた。ちかちかと。 たぶん この世界で動きの有るものは それだけなのだろうと 心細くなってた。 気持ちが不安定な夜は 眠薬や安定剤をのんで 一気に眠ってしまうに限るけれど 今日はなんとなく 薬剤を口にしたくない気分。 いや 飲むことすら 厭なのだ。 私をぐるぐる巻きにするこの脱力感や疲労感は どこにも出口が無くて 唯一の逃げ道があるとすれば それは。 寂しい夜に耳を澄ませば 聞こえてくるのは静寂で どんなに大きな音よりも激しく 私を包み込むのです。 私は私を切り裂いて 私の中にある膿のようなものを出してしまいたくて でも そんなことも できないままに 私自身が まるごと膿になってしまうのです。 溜め息をつけども 何一つ吐き出せずに 胸の辺りに巣喰う もやもやとした影は 今夜も私に どうしようもない絶望感をもたらすのです。 ...
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