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静寂がうるさい。 - 2002年10月06日(日) 私は多分 半分死んでる。 クレッチマーの分類によると 私は分裂気質らしく 確かに内閉的で無口で静謐を好むかもしれない。 あまり貪欲でもないし 面白さを求めるほうでもない。 静寂のなか 目を閉じて 心穏やかに 半分生きているのか 死んでいるのか分からない状態であるときが 一番好きかもしれない。 SF映画によくあるように 水溶液の入ったカプセルの中で 一生仮死状態のまま閉じこめられたって それですらよいと思ってしまうし 私が私であるというこの自意識が無くなってしまうことも それほど恐ろしいことだとも思えない。 雨が近づいてくる音が聞こえる。 雨降りの壁が 私の周囲を取り囲み 何処にも逃げ場を失った大気が その壁の中で膨張して 私の鼓膜に迫ってくる。 世の中が 微妙に響いている。 静寂には音がある。 耳鳴りのように トーンの高い金属音が鳴り続けている。 ダメだ。耳を塞がなきゃ。 静寂がうるさくて おかしくなりそう。 まだ 時計の秒針の進む音の方が静かかもしれない。 蝉時雨を 静寂と捉えるように 音を何かに対比させて捉えると 聞こえる筈の無いものが 大きな音で迫ってくる。 ダメだ。静寂がうるさすぎる。 ドビッシーでも 聴いてしまおう。 ...
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