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薔薇が枯れた - 2002年12月27日(金) 花屋で買ってきた薔薇の蕾を いつも咲かせることができない。 蕾が蜜で覆われて 固く閉じているかららしい。 洗ってやると 花が開きやすくなるというけれど それでも 咲かずに枯れてしまう。 薔薇は蕾でも美しいから よいけれど。 花は咲くと美しい。 蕾よりも艶やかになり 力強く そして確かに魅了する。 鮮やかさを増し 活き活きと輝き 懸命に自分に課せられた使命を果たし尽くそうと全身で表現する。 そして 次第に色褪せて 萎えてうな垂れ 花びらを落としてゆく。 枯れしぼんだ花に 美しさを見いだせるか。 私にはまだ 情緒も思慮も勉強も足りないので それを美しいと感じることができない。 花びらの散り果てた 花の姿を見て 味わいを感じるにはまだ イマジネーションが足りないようだ。 茶道では 古い茶碗が珍重される。 それは大した骨董だからというからだけでなく 幾人もの人たちが その茶碗で茶を楽しみ そしてその茶碗を愛で 大切に次の人の手へと送られたものであるからだ。 その古人たちを敬う意味もあり 古い茶碗を大切にする。 手にした人々の思いを汲みとり それをイメージするからこそ 古びた汚い茶碗に価値があり、趣がある。 さて。枯れた花。 その花が懸命に輝いた証であろうけれども やっぱり私には無理みたい(笑) ああ 枯れた薔薇はさっさときりとって捨ててしまいましょ。 美しい花だけを 眺めていたいし。 新しい年も来るのだし。 椿のような 潔さがいいね。 花も 人も。 「移ろうからこそ美しいのです」とはゲーテの言葉。 ...
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