流れる水の中に...雨音

 

 

そして街は 秋に包まれている - 2003年08月10日(日)



たとえば
日ごと 太陽の昇る時間が
少しずつ 遅くなるように
確実に日常も 
微妙に変化しながら回転している

たとえば
盛夏の中に 息を潜めて時を待つ
秋の芽があるように
目を奪われているうちにも
「それ」は其処に潜在している


小さく君はため息をつく
それは 私には聞こえなくて
時計の秒針や
風に擦れる葉音や
通りを過ぎるクラクションに
消えてしまう

ため息は 小さな竜巻きを作り
心の中で轟々と響きながら
穏やかであった筈の
このささやかな
君だけの理想郷を片っ端から
引っ掻いてゆく


あるとき君が
その先の角を曲がる瞬間に
違う扉を開いていたとしても
私は気づかない


そして街は 秋に包まれている











...




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