エロとピンクとアミタイツ。
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2003年05月19日(月) |
グレートチキンパワーズの怪。 |
かつて「天才たけしの元気が出るテレビ」という、 高校生のイベント主催、みたいな番組があった。 そのノリはV6の「学校へ行こう」へ伝承されてるフシがあるが、 ダンス甲子園や口ゲンカ王決定戦などの盛り上がりは、未成年の主張の比にならない。 ネプチューンの「ハモネプ」あたりは、あの盛り上がりに近いか。 しかし、あの番組はでかかったと思う。 何人かシロウト上がりのアイドルも出たし。 中でも「ダンス甲子園山本太郎」より「口ゲンカ三上大和」より、センセーショナルな売れ方をしたのは、 「お笑い甲子園」出身のグレートチキンパワーズだ。 なんでそんなことを今更持ち出すのかと、 とっくに死んだはずの彼らを、久々にテレビで見かけたからなんだな。 みかけただけなら「まだいたんだ」で終われるけれど、問題は別にある。 キャラが違うのだよ、キャラが。
キタハラマサキはほとんどあのセンスのなさをもちこしているが、 キーはワタナベケイ(顔がいいほう)だ。
「ぼくはでしゅねえ」「しゅごい、きゃわいいじゃないでしゅかあ!」
おまえ普通にしゃべってたじゃねえかよ!なんだそのしゃべり方は! なんだ、野田ドラマの影響か。そして、カワイイー!とかいわれたいのか。
10年前も十分視聴者にコビている感はあったが、 あのころはなにせ若さというか、とにかくこび方が下手で、逆に好感が持てた。 「あ、こいつら純粋に好かれたいんだなあ」っていう。 「田舎の高校生だもん、しょうがねえかあ、がんばれよー」みたいな。 だけど、ワイドショーのレポーターとして出てきた彼らは、 明らかに「女」にこびている。しかも、完全な確信犯だ。 そこにかつての純粋さはない。 しかも、ワタナベケイの変身の影響だかとどうだか知らないが、 よくよく会話を聞いてみると、ボケとツッコミまで入れ替わっていた。これは尋常ではない。 これは(たとえ自称でも)お笑いコンビとしてどうなのよ。
ワタナベケイの、あの下手な「ナンデヤネン!」はもう聞けないのだろうか。 かつて彼はキタハラマサキに体力負けして、「ナンデヤネン!」しか言わせてもらえなかったのら。 それもすごい話だけど。
彼らは自分を塗り替えた。 グレートチキンパワーズを知らない若い世代(当時、今の中高生は幼稚園児だ)にこびるために。 いま、グレチキが再び人気!とかいってリバイバルするために。 かつてCDを出しただけでスポーツ誌をでかでかと埋めていたあの頃に戻るために。
無理だってば。
一発屋は、きちんと身を引くから伝説になるんだ。 いつまでも悪あがきをするとどんどん値段が下がる。 でも、半端に売れた芸能人の社会復帰って、 ある意味ホームレスの社会復帰より難しいんじゃなかろうか。
オアシズファンだったあたしとしては、オオクボカヨコがOLになったときちょっと泣いたが、 大きな舞台もテレビも経験して、そのあときちんと社会復帰できた彼女を尊敬したものさ。 まあ、彼女は「OLの大久保さん」という、「おもしろいシロウト」という、うまーい形で、 無事に芸能界復活を果たしましたが。
犯罪者やホームレスの社会復帰に必要なのは「社会との折り合い」だ。 しかし、ダメになった芸能人の社会復帰に必要なのは、もっぱら「自分との折り合い」だ。 だから余計に出口が見えないんだな。 だから、がんばってしまうんだな。 (同じ事が、夢に生きた、30すぎたフリーターにもいえるんだな。) 要は、引きどきの見極めなんだな。
セガの湯川専務なんて、ドリームキャストがコケたあとは、 他の会社の社長さんですよ。 営業に行くと「あの湯川専務ですか?!」って言って、商談成立だそうだ。 うまく生きてる。楽しくやってる。
あたしになんていわれたくないだろうけど、 がんばれよ、グレチキ。 あと、改めてオトコとして売り出したイザムもね。 世間は離婚のことを忘れないよ。
「リーセット、しまっしょう、パッパッパラッパ。」
追伸、ともちゃんも。
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