土曜日生まれは腰痛持ち

2003年03月31日(月) 興味の対象ってやつ

ビッグパレットふくしま(郡山市)に、
シネマアート展ちゅうのを見にいってきました。
入場料も250円取るし、それなりだろうとは思ったのですが、
正直、今まで何度もどこかで見たような
「美しくつまらない」映画ポスターや写真ばかりで
入場料は取られ損という気がしました。
わかりやすくいえば、
「昔はよく映画を見たものですよ」と
言いたげな人の好みそうなラインナップです。
(具体的なタイトルの方は、ま、自主規制ってことで)

それでも、物販の方がそこそこ充実していたのが救いでした。
(それだけに、何で入場料取るかな〜となお思ってしまったけれど)
はっきり言って、関連劇場でタダでもらえるチラシに
100円(最低価格)という値段をつけて売るのって、
ちょっとアコギな感じもしないではないのですが、
それでも、身近で手に入らないミニシアター系作品のチラシが
たった100円で買えるかと思うと、飛びつこうってものです。
好きな映画のものなど4枚を買いましたが、
中に、映画のタイトル自体ノーマークで、
イラストが気に入ったので買ったものがあります。

赤いドレスを来た太った女が片手にレコードを持ち、
もう片方の手を、ソフト帽にくたびれたスーツの男とつなぎ、
2人は木のラブチェアに腰掛けています。
女の顔はやや不機嫌で、
男は憔悴したような、悟ったような、
不思議な表情を浮かべていました。
さらに、全体が黄色がかったバックに、
陶器のバスタブや、キリストとマリア(多分)や、
小さな姉弟(かな)や、人里離れた民家、黒い古そうな車などが
寂しげに描きちらされているのですが、
この描き手は、ほかにどんなものを描くのだろうと、
非常に興味を引かれました。


深紅の愛 DEEP CRIMSONなる
垢抜けない邦題をつけられてしまった
メキシコ/フランス/スペインの合作映画です。
この日本版チラシのイラストが、
どこかで見たようなタッチなのですが、
隅っこに「SAWADA」と書かれていたので、
それを手がかりに、沢田としき氏のことをあれこれと知り得ました。

さらに、そこから進み、
沢田氏がCDジャケットのイラストを手がけたという
故・西岡恭蔵氏の名前もネット上に浮かんできました。
ああ、この人の『プカプカ』なら聴いたことあるぞ…
という程度にしか存じないのが残念ですが、
もしもその辺のCDショップで見かけたら、
いわゆるジャケ買いしてしまいそうです。
(Amazonで調べたら、在庫が1枚やら2枚やらでした)

沢田としき氏の名前が判明したところで、
しげしげとその絵を改めて見てみたら、
今度は、シケイロスのことを思い出しました。
高校時代の倫理の教科書の扉絵に使われていたのでした。
何だかタッチが似ている気がします。
メキシコを舞台にした映画の日本版チラシの絵に、
メキシコの巨匠画家の名前を思い出してしまうことに、
「奇しくも」という言葉はふさわしいでしょうか。
それともただ単に、
沢田氏が手がけたことが、ナニゲにグッジョブだったという、
それだけのことでしょうか。

もともとシケイロスには興味がありましたが、
さりとて、毎日意識して生活していた人でもありません。
でも、ちょっとしたきっかけで、
興味の対象がナニゲにつながってしまいました。

今月はちょっと働き過ぎたので、
再来月の実入りはなかなか期待できます。
西岡氏のCDと、沢田さんがイラストを手がけた絵本類と、
シケイロスの画集(あれば)と、
再来月になったら、どれを「買う気」になっていることやら。


 < 過去  INDEX  未来 >


ユリノキマリ [MAIL] [Saturday's Child] <