土曜日生まれは腰痛持ち

2006年05月29日(月) ラーメンズ第15回公演「アリス」DVD鑑賞

去る5月17日に購入しました。
その鑑賞後の雑感等を書いておきたいと思います。

例によってスタイリッシュなジャケットで、
単純にお笑いが好きという人間にとっては、
ちょっとスノビッシュな感じさえするのですが、
(ファンの端くれとはいえ、実は私もそう思います)
それで敬遠するのは惜しい逸品です。

モーフィング
「例えばコバケンがベケットの「ゴドーを待ちながら」を
アレンジしたら、こんなふうになるんじゃないかな〜」
と思わせるようなシリーズがもしあるならば、
その1本に数えてほしい作品。
主に言葉遊びです。
特に爆発するものはありませんが、
準備運動感覚で笑えます。

後藤を待ちながら
タイトル自体はもちろんパロディでしょうが、
ベケットとは何の関係もありません。
同じ店で働く正社員のハセガワ(片桐)と、
バイトのオカダ(小林)という男が、
同じくバイト仲間の後藤の部屋で、
勝手にサプライズ誕生パーティーを開こうと画策するお話。
というか、ハセガワがノリノリなだけで、
オカダは余り乗り気ではありません。
なぜ「そう」なのか?
職場での人間関係が徐々に明かされるにつれ、
物語は、意外な方向へと転がっていくのでした。
オカダのキャラクターもあり、
不気味な怖さを醸し出している作品。

風と桶に関する 幾つかの考察
「風が吹けば桶屋が儲かる」という、
我が国が誇る?超強引こじつけ論法に関する
幾つかの考察とその情景描写。
片桐がパフォーマンスするときは小林がナレーション、
小林が動くときは片桐の声、というすっきりした役割分担で、
「アリス」の中で最も見やすく、笑いやすい。
そんな位置づけをしていいかと思います。
個人的にはこれが最も好きです。

バニー部
第13回公演『classic』で小林が演じた魅惑のキャラクター、
バニーボーイと無関係とは思えないこのタイトル。
もちろん無関係ではないのですが、
モトネタを知らない方が、むしろ楽しめるかもしれません。
(というのも、バニーボーイにおける空気読めないキャラとは
少し方向性が違うので)
「県立因幡中学バニー部3年松良太郎、バニーネーム「大吟醸」」
によるひとり舞台で、
片桐は、ステージ真ん中で無反応を決め込むばかりです。
片桐仁による【怪傑ギリジン】をごらんになったことのある方ならば、
要するに小林と片桐の立場が入れ代わっているものと説明すれば、
何となく想像がつくかもしれません。
2人の個性の違いが改めてわかります。
おもしろかったけれど、私は「ギリジン」をより買いたいなと。

甲殻類のワルツ
甲殻類(何なのかは不明)の片桐が、
小林(何かの店長とか経営者とか)に
その姿のまま、
「ここで働かせてくれ」と懇願する、それだけの筋。
「君のような○○が来るところではない」と言われるたび、
(○○に入るのは「不良」「金持ち」、そして…)
自分は○○ではないということを必死にアピールし、
キャラクターもがらっと変える。
最初に大前提を説明するのではなく、
見ているうちに、
「こういうこと…だな、きっと」と頭を整理しながら見て、
「おお、そう来たか」というオチを味わうというのは、
ラーメンズによくある展開ですが、これもそんな1本です。
やっぱり、必死なキャラは片桐に似合います。

イモムシ
何かわからないけど、
多分、体操競技みたいなのでペアを組んでいるらしい、
ヒデ(片桐)とイモムシのレイコ(小林)。
小林の操るイモムシクリーチャーが、
ミスドのポン・デ・リングみたいなだなーと思っていたら、
案の定、ネタの中にありました。
痴話げんかとスポ根と愛の物語です。

不思議の国ニポン
ラーメンズを知らなくても、このネタは知っている、
という人も多かろう、
「日本語学校シリーズ」に数えてよさそうな作品。
またまた全国の都道府県をいじりますが、
二つほどスルーされてしまった県があり、
私は、人生の90%近くをそのうちの一つで過ごしている者として、
少々落ち込みました。
確かに、クレームのつきそうないじり方を
している県もありましたが、
ああ、クレームの一つもつけてみたいもんだ。
とはいえ、公式キャッチフレーズに関しては、
実は我が福島県は、どこよりも早くラーメンズの舞台でネタになっていたのですが…
→DVD『零の箱式』の「文庫本」のエピソードで、客演の室岡悟さんの台詞にご注目を!


私も、偉そうに言えるほど初期作に詳しくはないのですが、
何というか、原点に戻ったような味わいがありました。
初めて見る人には、ある種の入門編になり、
(嫌らしい言い方をすれば、踏み絵でもあるのですが)
幾つも見てきたファンにとっては、
この2人はまだまだ「2人のお笑い」をやってくれる!という
安心材料になったような気がします。

ところで、公演タイトル「アリス」ですが、
まあ言うまでもなく、ルイス・キャロルのあれでしょう。
私は「鏡の国」どころか「不思議の国」さえ
子供の頃に絵本で読んだかなという程度なので、
バニー部のうさぎ、イモムシ、
そして最後の「不思議の国」程度しか
連想・関連づけができなかったのですが、
きっと、モトネタをもっと探っていくと、
エキサイティングな発見があるのでしょう。

ついでに言えば、コバケンが好きだというチェコの映像作家
ヤン・シュバンクマイエルの作品でも『アリス』はありました。
これは見る機会に恵まれず、まだ見ていないのですが、
無関係とは思えません。


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