2007年02月20日(火) |
R-1ぐらんぷり2007(備忘録的に) |
2007年2月18日、R−1ぐらんぷり2007決勝にて、 ザ・プラン9のなだぎ武が優勝しました。 R−1というイベント自体が まだまだ知る人ぞ知るって感が否めないこと、 そして、ちょうどその前日が、 陣内智則と藤原紀香の結婚式だったこともあり、 週明けのショービズニュースでの扱いも 冷淡なものでしたが、 今年1年はなだぎ武(多分、恋人でもある友近とのコンビで)を、 さらにひょっとしたらザ・プラン9を、 東北のお茶の間でも目にしやすくなるかもという期待を込め、 この優勝は大歓迎なのですが、 個人的には、同点ながら決選投票で敗れた 徳井義実の「外人落語家ヨギータ」ネタの方が おもしろかったと思いました。 キャラ設定などについて、 しかるべきところから抗議が来ても不思議がなさそうだし、 まさに「えげつない」のですが、 R−1の「R」が本来意味するところは「落語」です。 そして、大会5回目にして初めて 落語の体でなされたパフォーマンスが決勝に残ったという意義は 大きいものです。 決選投票で、桂三枝氏だけが「ヨギータ」に投票したのも 無理のないところでしょう。 ……って、もちろんそんなこと、これっぽっちも思っていません。 大体あれを落語だと思って見ていた人が、どれだけいるか。
M-1の最新王者(の片割れ)と、 人気女芸人の彼氏としても知名度が上がってきた関西のベテランと、 この2人の決選投票では、 確かに、やれ話題欲しさのヤラセだ八百長だといわれても 仕方のないことかもしれません。 が、少なくとも2人とも笑わせてくれました。 ただのお笑い好きとしては、 さまざまな人々の計算や思惑はおいておいて、 「おもしろけりゃ、何でもいいよ」と、 無責任を決め込みたいところです。
〈それぞれのネタと感想〉 土肥ポン太 部下にビンゴ大会の手配をさせたクラブのオーナー。 が、準備された商品が、どうもおかしい。 それらに文句をつける、と見せかけて……。 「日本一おもしろい八百屋さん」土肥ポン太のネタは、 全編にわたってモノボケ。 この人のモノボケ生産性の高さは、 DVD「バトルオワライヤル」でも見られます。
徳井義実(チュートリアル) 某国出身の落語家ヨギータ・ラガシャマナン・ジャワディカーが、 お国訛りの残る関西弁でユルめの小話を披露する。 着物に羽織でなく、 シャツにパンツのラフな格好に青い法被(電気屋さんのよう) そして、高座で正座ではなくスタンダップ式。 今までショートバージョン?は何回か見ていたが、 今回のが最もおもしろかった。 視聴者受けを考えて、危ない話はしない……のではなく、 視聴者を「ドン引きさせつつ衝撃を与える」というのを 芸のうちにしちゃっているところは、 やっぱり、男前の特権でしょうか。
大輪教授 アフロに白衣姿の「大輪教授」の授業は、 ホワイトボードに黒マジックで乱雑に板書をする。 「五分五分」「七分袖」「九分九厘」といった決まり文句に、 数学的見地からツッコミを入れたり、 世の中のあらゆる事物を素因数分解していくというのは、 聞き取りやすい話し方もあり、それなりに笑えるけれど、 いかんせん、爆発が感じられない。 ところで、この人のネタには、素因数分解のほかに、 「因数分解」もあるそうですが、 「ああいうの」を一体どういうふうに因数分解するのか、 気になるところです。
ウメ スケッチブックを使った、「紙コント」。 中崎タツヤ風の、 セリフが変われば状況ががらっと変わるシンプルな絵を、 今にも泣き出しそうな、かすかな訛りを含む声で 登場人物のセリフだけで状況を説明していく。 1組の絵で、三つの物語がつくられた上、 最後に少し「おまけ」つき。 聞いていて不安になるような、 あの声がかえっていいのだろう。 絶妙の間がたまらないが、好き嫌いの分かれる芸風。
友近 ピザ屋で働くおっさんのコント。 「シーフード」を「海鮮」、 ピザのサイズを「M寸・L寸」と表現したり、 ホームパーティーの女の子に余計なアドバイスしたり、 配達先のビルにまつわる縁起の悪い話をしたり、 自分がピザ屋さんに電話かけたとき、 この人が出たらやだなぁと思わせるおっさんを 好演していました。 結構美人だと思うし、 あらゆるキャラクターを演じている器用な人ですが、 おっさん役が最も説得力がある気がするのはなぜ?
やまもとまさみ 修学旅行の夜、寝ている間に 生徒に顔に落書きをされた若い教師の怒り。 昨年、岸学の「いじめられっ子先生」があったせいか、 これはこれで結構練ったであろうネタなのに、 何となく二番煎じに見えてしまった。
バカリズム 蝶の形のマスカレードをつけた教師が イニシャルトーク風に歴史の授業を進めていくが、 普通の動詞なども頭文字で表現してしまう。 ふざけてマネをしているうちに、必ずや癖になる。 オチのつけ方は、8人の中で一番ぴしゃっと来た。
なだぎ武(ザ・プラン9) 彼の持ちネタの一つ、アメリカの青春ドラマ 「ビバリーヒルズ(高校/青春)白書」で ルーク・ペリーが演じたディラン・マッケイの物まね。 吹替担当だった小杉十郎太の声帯模写といってもいいかも。 自転車に乗ったディランは、 エグザイルの新メンバーオーディションを受けに来て、 日本の音楽にツッコミを入れる。 ただの物まねでなく、まとまりもよかったし、 相変わらず体が利く! 同じ「プラン」のメンバー、浅越ゴエ氏(第2回)に続き、 2人目のR−1覇者となりました。 かくなる上は、次はヤナギブソンあたりに頑張ってもらい、 ついでに、なんだかんだで5人全員R−1優勝なんてことも 期待せずにいられません。
|