土曜日生まれは腰痛持ち

2007年06月06日(水) 都市伝説、かぁ

1979年、日本中を口裂け女の噂が駆け回りました。

長い髪で、大きなマスクをかけていて、
めちゃくちゃ足が速い、とか。
通りすがりの人物に、「私きれい?」と尋ね、
「きれいだ」と答えると、
マスクをとって、「これでも?」と、
耳まで裂けた口を見せてビビらせる、とか。
「ブスだ」と答えると、刃物でブスッと刺される、とか。
万が一襲われそうになったら、
「ポマード」と唱えると撃退できる、とか。
今聞けば、もうどっからツッコんだものかと迷うほど
香ばしいお話なのですが、
これがもう、そのころは意味もなく怖かったんです。

当時小5で、学校の特設合唱部に入っていた私は、
真っ暗になるまで練習のあった日などは、
帰り道、鉄道のカード下(結構なトンネル)を通るのが
怖くて怖くてたまらず、
大声をあげながら、半ば目をつぶり、走って抜けた覚えがあります。
しかし、冷静に考えると、
気が触れたように叫びながら猛進する女子小学生というのは、
傍目には、口裂け女とタメはるくらいに不気味だったんではないかと思います。

が、よくした?もので、
なんだかんだと練習をサボっているうちに、
部をクビになってしまいました。
残念は残念だったけれど、
安堵の気持ちの方が大きかったのは否めません。
なんたって、明るいうちに家に帰れるんです。

都市伝説というのが
いつごろから使われている言葉かは知りませんが、
少なくとも、辞書には載っていないところをみると、
よく耳にするが、日本語としては成熟していない、
つまりは結構新しい言葉でしょう。
7月17日補筆
困った?ときのウィキ頼みで、調べてみますと、
アメリカの民俗学者ジャン・ハロルド・ブルンヴァン
1980年前半ぐらいからものした本
「The Vanishing Hitchhiker」「The Choking Doberman」あたりから
使われた言葉(Urban legend) のようです。


私が生まれて初めて意識した都市伝説は、
この口裂け女の噂でした。
たしか1996年の作品だったと思いますが、
「学校の怪談2」に、
口裂け女がおばけキャラとして登場したのを見たときは、
おお、彼女も出世したもんだなあと、
笑って見るほどのゆとりがありました。
当時5歳だった娘も、
これっぽっちも怖がっていませんでした。

それ以降も、もはや記憶にも残っていないようなお話が
次から次へと浮かんでは消えを繰り返しましたが、
なぜか私の住んでいた地区は、変質者の出没情報がやたら多く、
さすがにある程度の年頃になると、
そっちの方が現実味もあり、より恐怖の対象となります。
家から歩いて通える距離の高校に入ったこともあり、
この界隈は不審者が多いので、下校時は注意するように」
と学校から言われ、
そうなると、怖いを通り越して、
地区住民として情けない気持ちになったことすらありました。

都市伝説というより、俗説というべきかもしれませんが、
体にこんな特徴が出ていたら性経験ありというのも
よく聞く話でしょう。
ところで、もう40を目の前にして、
びっくりするような俗説に、ついさっきめぐり合いました。
「鼻の頭が割れている人は経験アリ」
……もう、頭の中が、
疑問符と感嘆符でいっぱいになりました。

実は私の鼻の頭は割れていますが、
これはどうやら生まれつきのようです。
母もそうだったし、上の娘にも遺伝しました。
もっとも彼女は、女の子にしては立派な鼻をしていて、
成長過程で伸び切ってしまったのか、
今はそのほとんど目立たなくなっています。
下の娘は、上の娘よりも私に顔が似ていますが、
鼻の頭の割れ目は生まれつきありません。
性経験どころでなく、
経産婦といわれる人が日本に何万人いるか知りませんが、
むしろ、鼻の頭が割れていない人の方が
多いような気がします。

生物の授業でも教えないもんねえ、
この特徴が何を意味するのか、とか。
人相学も全くわからないので、
これがあるとないとで何か変わるのか、
全くわからないけど、
せいぜい目の一重と二重とか、
耳垢の状態程度の意味しか
ないと思っていたし、
多分、そんなところでしょう。
顔の骨格がしっかりしていて、
肉付きが薄いという人にあらわれやすい特徴でもあるようです。
映画をアホほど見まくっていた頃、
ひいきの役者さんの鼻の頭が割れていたりすると、
妙に嬉しくなったものです。
ダイアン・キートンとか、ダン・エークロイドとか。
(あえてこれみよがしな美人女優の名前を出さないところが、
私の奥ゆかしさです)


また話は変わります。
いつ頃から出回っていた話かは不明ですが、
つい昨日、上の娘の口から「となりのトトロ死神説」を聞きました。
(興味のある方は検索してみてください。山ほどヒットしますよ)
同級生から聞いた話とのことで、
それをもとに検索してみたら、
真偽のほどはともかく
スタジオジブリサイドは、はっきり否定しているようですが)
輪郭がぼやっと見えました。
童謡や童話につきもののオカルトのにおいもするし、
こじつけっぽくもあるし、
舞台となった土地柄や時代設定、
ひいては宮崎氏の思想傾向のゆえか、
人権問題でしばしば名前の挙がる
有名な狭山事件との関連性も随分言われていました。

それらを読んでみて、
正直「どっちでもいいや」という結論が
自分の中ででき上がっただけですが、
不謹慎ながら、死神説を支持する人たちの
ある種の熱狂は理解できる気がします。
それらがもしも、
あながち無駄な深読みではないとしても、
基本的には、ほとんど意識させることなく、
あくまで心温まる(かどうかは個人差があるとして)ファンタジーとして
エンディングまで引っ張ったというのは、
なかなか興味深いところです。
私自身は、いわゆるジブリものが好き、とは
ちょっと言いがたいのですが、
そういう、いい意味での説明不足は嫌いではありません。


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