2008年10月31日(金) |
全米は震撼し、日本人は行列する? |
学生の頃、「ぴあ」を愛読していました。 映画が好きで、しょっちゅう見にいっていたのと、 中島らもさんの「微笑家族(?)」読みたさと、 それから、「はみだしYOUとPIA(?)」という 読者の一言投稿欄が結構好きだったからです。 (なんかすみません、何分記憶に頼っているので、 (?)がやたら多くて…)
で、直接読んだわけではないのですが、話に聞いて、 はみだし史上に残る傑作では?と思ったフレーズが、 「全米はすぐ震撼する」というものです。 この登稿主さんが、ここを読む可能性はごく低いけれど、 それでも、「尊敬申し上げております」と言いたいものです。 映画のキャッチコピーのお約束だもんね、「全米震撼」って。
話は少し変わり、 最近「やずやのケフィア」のCMをよく見ますが、 そうすると思い出すのは、20年近く前コカコーラから発売された、 「ケフラン」という健康飲料です。 一度か二度飲んだだけで、ぼんやりしか覚えていないのですが、 瓶入りで、ちょっと値段が高かったと記憶しています。 これは、コーカサス地方のケフィアなるものを 清涼飲料にしたという触れ込みで、 「日本人を行列させたい」という、 ぴりっとしたキャッチコピーが大変印象的でした。 旧ソ連の……てことは、発売は1991年よりは前だったんですね。 「物資が乏しく、何でも行列して手に入れる」という ニュースでよく見たイメージを切り取ったものでした。
で、また話は少し変わって、 ロビン・ウィリアムズが比較的若い頃出ていた映画で、 「ハドソン河のモスコー」という作品がありました。 モスコーとはMoscow(「モスクワ」の英語表記)のこと。 アメリカはニューヨークに興行に来て(だからハドソン河)、 そのまま亡命してしまう旧ソ連のサーカス団員役を ウィリアムズが好演した、温かなユーモアがあふれる佳作でした。
この映画、メジャーどころのレーベルから出ているので ソフトは手に入りやすいんですが、 実は日本では劇場公開されていません。 クオリティーはかなり高いのに、何でーさと思っていたら、 ある解説によると、 「R.ウィリアムズがまだ知名度がなかったことと、 作中トイレットペーパー(か何か)を買うために、 民衆が行列をなすシーンが、ソ連という国に対する誤解を 与えかねない」みたいなことが理由だったそうです。 うーん、誤解かどうかはともかく、こんなエピソードを踏まえても、 「日本人を行列させたい」って、なかなかの吹っ切れてました。
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