酔狂な奴と笑われそうだが、昔から、怖い話がそれはもう大好きである。
小学1年の時、担任が小泉八雲の“耳なし芳一”の話をしてくれたことがあった。 それは大して怖くなかったが、興味を覚えたアタシは、小学生向けに書かれた ラフカディオ・ハーンの怪談集を親に買ってもらい読んだところ、たちまち戦慄して その晩はまんじりとも出来なかった。薄闇の中、母の嫁入り箪笥に彫られた紋様が 芳一の耳をもぎ取った平家の亡霊の顔に見え恐ろしくてたまらず、まだ赤子だった 妹の手を握りしめ、明け方まで布団の中で身じろがず震えていた思い出がある。
日本の昔話には、所謂「禁忌(タブー)」が多い。『決して…してはならない』とか 『今夜は…な目に遭わねばならない』とか『…すると必ず…する』といった風に 祟りそのものよりも、その前触れの得体の知れなさにゾッとし、恐怖心を煽られる。
大学の寮である夜、先輩が妙なことを言う。「家から学校までの通学路をイメージ してみて?」 そこで、何の心理テストだろうと思い言われた通りにすると 先輩は「学校に着くまでに何人の人に出会った?」と、神妙に尋ねてくる。 単純なアタシは忠実に通学路しか思い浮かべなかったので、誰にも会わなかった と答えた。「出会った人数は、これまでにあなたが見たユーレイの数よ…~~(m--)m」
しかし、昔から不思議で仕方のなかったことがある。先ずお化けのコスチューム。 幽霊というのは霊魂だろう。それなら何故生まれたままの姿=裸で出てこないのか。 白い着物(定番)、鎧兜、旧日本軍の制服、ウェディングドレス… ってホンマかい! つまり衣服の生地までが、故人と一緒にあの世について行って幽霊になったと いうことか。せめて経帷子にしといてよ。
心霊写真などで、写り込んだ霊の顔の陰影がまたまた謎。彫りの深い外国人霊は 陰影もクッキリだが、影を作るということはそこに光が当たっている訳である。 あの世にも太陽のような発光体が存在し、現世と同じ肉付きの顔で その光を浴びているのか。
あと地縛霊。長い年月間、いたる場所で無数の人間が死んでいて不思議はない。 だが、塚の上に家を建てられたからと祟りをなすのは、近世人ばかりらしい。 アニミズムにどっぷり支配されていたであろう太古の人々や、弥生人の幽霊さまは 腹を立てたりしないのだろうか。みずらヘアの霊とか、聞いたことないけど。
まだまだ続くお化けの謎(~ヘ~;)
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