こたつむりで読書に耽っていると、懐かしのM主任から電話があった。
『メイ子さん元気ですか?今、OさんがJ.BOY歌ってるんですけど♪』 なるほど確かに、背後にO係長の歌声が聞こえる。また男2人でカラオケBOXに 入り浸っているんだろうか。何か話しかけようとすると、電波の調子が悪いのか 無音のあと切れてしまった。浜省でメイ子を思い出してくれるなんて…(*μ_μ) しばらくして、O係長からかかってきた。声の調子からしてヘベレケ。
O係長:『そりゃ俺は言ったよ、こんな会社もう辞めちゃえよって。 けど何もホントに辞めることないじゃんよ。俺どうすりゃいいのよ』 アタシ: それより、アタシの居ないところで浜省歌うなんてずるいじゃない(`ε´) O係長:『あ〜あれはMがさ、俺がJ.BOY歌い出したら即よ即。 「メイ子さんに電話しなきゃ!」ってさ。さっき別れたばかりだけどね』
話によると、アタシの後任者は、今どうやら相当苦労しているらしい(;^_^A 手取り足取り引き継ぐほどの業務でもなかろうと思ったが、少々無責任だったか。 けれど向こう気の強い女性らしく、残業お断り宣言して、周囲は持て余し気味だとか。 あそこはそのくらいでちょうどいい。甘い顔見せるとたちまちセクハラの餌食だから。
O係長:『で、次の仕事はもう決まったの?』 アタシ: まだノンキに遊び暮らしているわ。働くのは3月からにするわ(*^o^*) O係長:『羨ましいね。俺なんか今月一杯出張で埋まってるよ。岐阜で学会もあるし』 アタシ: 実はTVで某タレントを見るたび、Oさんのことを思い出しているのよ…。 O係長:『誰、某タレントって。ブラッド・ピット?』 アタシ: う… ウンそう!(^_^;) (えなりかずきって言うと傷つくからな…)
電話を置いて、ふとかすかな不安がよぎった。これまでに無いことだ。 新しい職場。またしても新たな環境下での新しい生活が始まろうとしている。 そこでもこんな風に、冗談の言い合える気の良い仲間に出会えるものだろうか。 古巣を去ると同時にそこでの一切を切り捨てる。未練を断ち切り後は振り返らない。 その繰り返しではや10年が過ぎた。思えばこうして、当たり前に親しくなり 次々と当たり前に別れを告げることに、いつしか慣れ切ってしまっていたのである。
一期一会と人は言う。年のせいか、時に虚しく、時に切実に響く言葉である。
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