『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2006年03月04日(土) 珊瑚鳥

たくさん、みてた
かぞえきれないくらい、みてた

あの海や
そらとか
くりかえされるきりがない音

もういちど、立ちたい。
ひとりでいいから
空想でも反復でもなくて
もういちど。

太陽がしずむからあの雲は日色に焦げた
びょうびょうと吹く風で波はどんどん渦巻いた
あたしがそれをみてて
いつまでもみてて

優しいうたも激しいうたもみんな
あの場所からもらって

さわさわさわさわ
みどりいろのさとうきびの森
途切れたところが白い浜辺
あおすぎて黒いような空も
珊瑚のすけてみえる海も

時間を気にするあなたもいなくて
もうひとりでいいから

いつかこの中に棲んでいた
それなら
涙もぜんぶ、すいこんでとけて
たゆたうでしょう?

不自然なかたちに顔をゆがめて
軋むみたいなからだを抱いた。
降っている水が冷たいから、それだから
わたしはなんにもかんじない

いつか
たぶん
この洪水にながされる前に

空想でない海と空と雲と嵐と
それから、あのふかいふかい、とうめいな空気


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