目が、さめるとねとうめいな紅い水のなかにいるような気がする。考えても、考えていなくても眠りのなかでは、たぶんとりつかれたように感じ続けているんだ、とぼんやり思う。朝の青のなかでも夜の暗がりのなかでも透明な赤に覆われてあたし、目がさめて。3月12日、早朝