『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2007年02月01日(木) 咳をしながら

真夜中にうかぶ考えは両極端で
ぼくはその落差に揺れて揺れて
まいにちをぐらぐらとやり過ごしていく
暗いのは怖いのに
電灯は明るすぎて寝付けないのです

誰もが寝ているときに、いつも
ぽっかりと目をあけて起きている
くりかえすうちにカラダの底になにか
ざらざらと重苦しいものが溜まっていくみたいで
吐き出すにはどしたらいいのとひとりで
家のあちこちをうろつく午前深夜。
泣きかたを忘れた。

のめりこんで読み続けた本がおしまいをむかえた
からっぽのさびしい夢をみた
すごい密度で近かった人がぽっかり、みんな行ってしまって消えてひとり
よく聞こえない耳とかぼんやりした頭だけ

汽車が、レールの上に並ぶ人達を押し潰して走る
轟音と耳障りな軋み、みんなどこから現れたんだろう
血と、くだかれる骨と
いつ来る自分の番なのかと怖れながら心を殺して
つぶされるいのちを眺める、夢のなかで

毎夜、毎夜
怖れながら
眠れないことも目を醒ますことも
均等に不安で、噛み付きあうループで

はるがくることを
また
拒否したがるぼくが立ち上がり
耳を塞ぐんだ


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真火 [MAIL]

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