真夜中にうかぶ考えは両極端で ぼくはその落差に揺れて揺れて まいにちをぐらぐらとやり過ごしていく 暗いのは怖いのに 電灯は明るすぎて寝付けないのです
誰もが寝ているときに、いつも ぽっかりと目をあけて起きている くりかえすうちにカラダの底になにか ざらざらと重苦しいものが溜まっていくみたいで 吐き出すにはどしたらいいのとひとりで 家のあちこちをうろつく午前深夜。 泣きかたを忘れた。
のめりこんで読み続けた本がおしまいをむかえた からっぽのさびしい夢をみた すごい密度で近かった人がぽっかり、みんな行ってしまって消えてひとり よく聞こえない耳とかぼんやりした頭だけ
汽車が、レールの上に並ぶ人達を押し潰して走る 轟音と耳障りな軋み、みんなどこから現れたんだろう 血と、くだかれる骨と いつ来る自分の番なのかと怖れながら心を殺して つぶされるいのちを眺める、夢のなかで
毎夜、毎夜 怖れながら 眠れないことも目を醒ますことも 均等に不安で、噛み付きあうループで
はるがくることを また 拒否したがるぼくが立ち上がり 耳を塞ぐんだ
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