きれいに、あこがれる。その空を、乞う。ほんとうはね、なんて、そんなもの奪われた言葉。叱られないために身体は縮んで嘘を作っていく膨らませて膨らませて口を塞いだ、いつか思い出せない前に。ほんとうのことは深いみなそこにしずめられた鎖で縛られた箱のなか、「あたしはしらない」。ずっと、しらないでいのちがおわるまでいけたらよかった。細いやいばが思い出せとさけぶ。わたしはそれでも耳をふさぐ。空だけ乞いながら耳をふさぐ。