『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2008年01月29日(火) ざわざわと鳴るは。

一年も前に持ち歩けるオンガクをもらって
だけどわたしはそれを扱えなくて
仕舞ったままでいた、キカイ。

ひとつきまえ。
同居人がととのえた手順で
そのなかに、息が吹き込まれたから
かばんの中身が、ひとつ、ふえて

出先で
ざわざわと血が引いていくのを
歯を食いしばるよに耐えながら
音をきく…
からだの痛みじゃないものに、寄り添うように
耳をかたむける

……そういうことも必要にちがいないよね

ことばを持てなくて、声なくて
怒りのかたまりになって、泣いた
叩きつける腕なんかじゃ喋れないのに
それしか、なかった

そんなふうな日のなかにすべりこませる
荒々しくてやさしい音。

はじめて触れた気がして
ばかなあたしを思って
あのときの、尖りきったあなたを思って
今ならいいのに
あいせるかも知れないのに

からだの痛みが燃えている
くるくると舞うキノウの幻

切り離して、耳をすませるよ


 < キノウ  もくじ  あさって >


真火 [MAIL]

My追加