2008年02月15日(金) |
夜明かし、かりものふとん、ほのお。 |
みっかめ……?
時間がよくわからない、 還元しわすれた濃縮果汁を ぎゅうぎゅうと飲み込むようだ いらなくても
ふりかえったら
黒い服のあたしが、鏡にいて
その黒がへんに板についていて
何時も何時もそれから鏡をみたけれど
そのたび、板についていて
複雑に、嫌で嫌で良かったけど嫌だった。
礼服喪服、久しぶりのそいつ するりとなんの抵抗なくあたしを包んだ…もしかして サイズが合わないかも、なんか心配していたのはどうやら 心配と同時に、あわいきたい、だったらしい。
あのねおにいちゃん あなたをみおくったこの服であたし あなたと同じ歳になって 家族になるはずだったひとを見送るんだって うそみたいだね
……嘘じゃなくて。
お線香を絶やさぬようにくりかえし目をさまして しらない祭壇にもう何回目かわからない鉦をならして あかるいろうそくから、また、火をもらう
寒い夜だ。
後悔は先にたたない。 悔やむのは、あとで。
起きたら、口内炎ができていた。 ほんとにたいへんなのはあたしじゃないのに あたしの身体はあいかわらずやわにできている。 ばか。
あわてて買った黒い靴とかボレロのついた久しぶりの黒い服が べつに、似合いたいわけじゃあ全然ないんだけれど ないんだけれど……ああ鏡のなかにいるのはなんだか なんだかまっとうな「大人」みたいだし。
何十回目の挨拶をしながら喉のあたりでかみしめている
悔やむのはあと、 思い出もあと、 泣くのはチガウから 後で、後で、
……お辞儀するたび黒い靴にが見えるわけ 履いたことないまじめなパンプスみたいなのがさ 子ども用の中敷き入れてやっとサイズ合わせてるにしても そんなん、なにも関係ないんだろうからさ
そのたび なにかから とおくなっていく 気もする
あしたはなにをしたらいいんだろう
オトナの顔が落ちなきゃいいんだろう
か
あと何回、ろうそくの火をともせるんだろう
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