2010年06月29日(火) |
くるった時計のなおりかた |
ゆがんだ時計を
あたしが投げた
歯車は飛び散って、正体をなくした
針なんてもっともっとするどければいい
一枚きりのワンピース
しろいきれのちぎれる音もひそかに
ちりぢりになっていく、ひとひら、ひとひら
むきだしのひざを腕を肩を、あたしは覆うけど
腕は、二本しかないからだから
きみを抱きしめたらのこらない
もう、いいよね?
部屋中にひろがったかけらが足を刺すとも
別に
雨だれの気配に耳をすます
だれの手もとどかない水のふるなか
泥だらけの足で
いつか
そらをむく
はいいろにひかる、みながにくむそらを、うでをひろげて
そらにふれる、そんなときばかり
なぜ、いるのか
わかる気がする日もくるでしょう
叫んだとて吐き出せない空洞のくろさが
溶けて、のぼっていく
それまで眠っていたいとこぶしを叩きつけるけど、まだ
ゆるされないね
雨ふりがいい
みながいやがる水がいい
かわいたのどでぜんぶぜんぶ
のみたい
梅雨、くすんだ朝、 桔梗が咲いて あたしすこしやすらかになる
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