睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜
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道標過去へそれから


2002年05月24日(金) 神の使い 1

時間がかかりすぎたようで、新郎側がざわめきだした。
「念入りに、お化粧なさってますから、もう少しお待ちくださいませ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」いつものキンキン声が響いている。
「もう!!高飛車でいやです、あのお客さん!!」
「耳元で叫ばないでヨ。花。」
「だって、結婚ってだいじなことなんですよ。急がせてどうするんですか。心がゆれるんですよ。いざとなったら。」ブツブツ言いながら、花は忙しそうに去っていった。
「少し手伝ってくれませんか?」主人に呼ばれた。
「僕が何を?」主人はいつもの含み笑いのまま、歩き出した。
宿の裏の川まで降りていくと、主人は座り込み川を眺め始めた。ただ、眺めているだけだった。





お地蔵様の資料は『ojizosan.com』を参考にさせていただきました。
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