声の音

2002年06月27日(木) もっと激情を

日曜の昼間に行こうと
友達と前売りで買っていたのに
気がつけば明日が最終日と言うことで
慌てて、レイトショーを見に行った。
「翼を下さい」

話は、まとめて言えば
少女期特有の、少女同士の恋愛。
そこから出ていった少女と
出ていけなかった(少女期特有ではなかった?)少女。
そして、それを見ていた少女。

綺麗で、まっすぐで
辛くて哀しかった。
二人の、三人の未来を
二人で生きていく結末を
これだけ望んだ映画、作品も久しぶりだった。

もっと激情を、は
出ていけなかったトリーの口癖のような言葉。
作中で一番子供でまっすぐで
少女で少年だったトリーは
空を舞う。
世話をしたハヤブサと共に。

トリーを愛しながら(愛してるといいながら)
家族のため、自分の未来のために
トリーを捨てたポーリーを
軽蔑しながら、嫌いになれなかったのは
私もきっとそう言う人間だからだ。

冷たい水を飲んだ時みたいに
体の中にその冷たさが感じられる
ふとしたときにその冷たさを思い出す
そんな映画でした。


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水井ちな [MAIL]