声の音

2004年02月06日(金) 自覚した幸せな失恋

昨日寝る前に、ふと思い当たった。
あぁ、そうだったのか、とやけに納得した。

私はずっと彼女が好きだったんだ。
いやいつの間にか友情以上として
彼女を好きになっていたんだ。

空想、想像、妄想。
その時々に寄ったり度合いによって呼び方は変えるけれど
私はそれらをよくする。
いい年をして、と言われそうだけれど
頭の中で勝手に考えて良い気分になるくらいは
許されることなんじゃないかと思う。

その行動の一つとして
「ありえない未来」を考えることがある。
例えば、すごく美人になっている自分。
例えば、すごく金持ちになっている自分。
他愛も無いことだけれど、芝居でもしているように
そうなったら、こうしよう、と考えることがある。

そんな一つで、考えてしまった。
彼女と生きる未来。

その中で私は、幸せで満ち足りていて
彼女を本当に好きで、すごく幸せそうに
彼女を見ていた。

彼女と生きる未来は明るくて穏やかで楽しそうだった。

そういう風に生きられそうな気が本当にした。

彼女はずっと私のいい友達で
彼女に出会えたことを幸せに思っているし
今でも変わらず彼女のことが好きだ。

その感情は恋愛ではないのかもしれない。
その感情には肉欲が一切無い。
ただ肩を寄せて同じものを見て笑いあい、
他愛も無い話をして、それが幸せな。
恋愛感情でもなく友情でももちろんなく、
ただ、一生一緒に生きて生きたい
一生一緒に生きていけると、思える人に
彼女がいつの間にかなっていた。

そうして、笑ってしまった。
馬鹿だな、と。
彼女が好きなのだと自覚した瞬間にはもう失恋だったから。

彼女が自分をそういう目では決して見ないと知っているから。

そんな彼女だから、きっと惹かれたのだから。

私が彼女に気持ちを打ち明けたら、それを素直に聞いてくれて
ありがとう、と言ってくれるかもしれない。
でも決して流されはしないだろう彼女。

大好きな彼女は、少し私に似ている。
呆れるくらいにまっすぐなところ(元恋人談)とか
明るいところ、強情なところ、弱みを見せたくないところ
人が大好きなんだろうところ。
でも、似ているから好きになったんじゃなくて
それでも私よりしなやかなところとか
私より自由なところとか
そういう些細な違いがあるから好きになったんだと思う。
(私は響か>Hさん私信です(笑))

自覚した瞬間に失恋した恋。
でも、少しも悲しかったり苦しかったり痛かったりしないのは
彼女への想いが軽かったり、一瞬だったりしたからじゃない。

彼女と一緒に人生を生きていけたら
それはどんなに幸せで、輝いていて、安心で満たされていたか
考えただけでも幸せで笑みが浮かぶほど。

でも、その未来を選択することはできなくても
彼女と私が変わってしまう事はないから
これからも、私が彼女にとって友達であることも
彼女が私にとってとても大切な人であることも変わりないから
きっと笑っているのだろう。

彼女のような人にはきっともう二度と会えない。
だから彼女のように誰かを思うこともきっと二度とない。
いつか誰かを好きになるときが来ても
彼女への思いが消えることもきっと無い。

失恋したんだけれど
すごく幸せな失恋だなぁ、と思いながら
眠りについたのでした。


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水井ちな [MAIL]