気分刊日記

2002年05月19日(日) 日曜日はさっぱりと!

 今朝も7時位まで徹マンでしたがなんとかおやつ時前に起きて、やっとCUTに行く事ができました。古畑ばりの襟足や、兜光司ばりのもみあげがさっぱりCUTされ3才位若返った感じです。

 そんな爽やかな気分で観に行ったのは『KT』−−「どついたるねん」「鉄拳」「王手」「トカレフ」「新・仁義なき戦い。」など男臭いの骨太映画では当代随一!「ビリケン」「顔」と言った人情味溢れるエンタテインメントも撮りこなす器用さも合わせ持つ実力派監督・阪本順治の作品。さくっと観終わって、下北の‘珈琲と手作りケーキの店’の看板が出ているお店で友人の誕生日にケーキでも買うかなと不意に思ったので買ってみました。で、彼女とラブラブ中の本人の元に押し掛けてプレゼント&一緒に食って帰ってきました。

 『KT』: どうも韓国映画が苦手な私ですが、今回は韓国語に違和感を感じずすんなり鑑賞できました。題材としては、国家間の利害闘争、政争や権謀術策、巨大なチカラのお話とそれに飲み込まれる個人や、したたかに生き抜く輩たちの群像劇(主に男)。ストーリーや編集は上手く処理されているし、音楽や展開もテンポが良い。ただ、観終わった後に、事件への興味は涌いたが、映画としての印象があまり残らなかった。何より、主人公と思われる佐藤浩市の人間性やポリシーが理解し難い(何より彼の演技はどの作品も一本調子だと気付いた)。時代的なものか私の思考が浅いのか解らないが、各々出てくるキャラクターは上手な役者さんを惜し気もなく使っているのだが、特定の人物にスポットを当てる訳でもなく、さして掘り下げるでもなく本当にドキュメントっぽく淡々と事件が流れるので誰かに感情移入する余地はあまりない。唯一掘り下げられる人物は3人、KCIA行動隊長・金車雲(キム・ガプス)、夕刊トーキョー記者・神川昭和(原田芳雄)、金大中のボディーガード・金甲寿(筒井道隆)。それでも、前2人は自分の口から話される台詞として、唯一、筒井道隆の役だけ母親(江波杏子)や彼女とのやりとりで薄ら見えてくる。あと、日韓のお話なのに韓国の国民性やその当時の韓国社会の風潮が今一つ見えない。(これに関しては、逆にそう撮っていたのかもしれないが、)韓国側の人たちが日本人とあんまり変わらない思考で動いているように見えた。昨日の「ビューティフル・マインド」でも思ったのですが、実話物は原作やそれにまつわる資料に興味を持ってもらえれば一つ使命が果たせたと言えるだろう。その点で本作も及第点はとれるはず。テーマや時代との距離が有り過ぎて取っ掛かりにかける。その分ダイナミックなエンタテインメントに仕上げる手腕を監督が発揮したが、渋い役者の魅力だけでは今の日本映画の興行は苦戦。
 おまけ:金大中の俳優さんがあがた森魚に似てたなんてのはあり?


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