気分刊日記

2002年06月30日(日) 消化日記

 朝から新宿に出向いて映画行脚スタート。先ずは「ヘドウィック・アンド・アングリ−インチ」。移動の合間にタワーレコードでCDを買い込んで次は 「ハイクライムズ」。飲み物を買って 「華の愛・遊園驚夢」。かなりの修行だったね。やっぱり1日3本は疲れる!がんばって帰ってW杯決勝を見ながらうたた寝。どうなの、ブラジルって?日本は一生なれないスタイルだから憧れるか、つまらないかの両極端かな。

『ヘドウィック・アンド・アングリ−インチ』 あぁぁ、ROCKっす。美しい映画です。ヘドウィックがちょっとレイチェル・リ−クックみたいな目だと思いました。ジョン・キャメロン・ミッチェルのジョン・キャメロン・ミッチェルによるジョン・キャメロン・ミッチェルのための映画。唱うシーンは文句無しにかっこいいのだがワンシーン、ワンシーン、特に歌のシーンが完璧に出来上がっているので、それ以外のシーンとつながりがぎこちない。これは、元ネタが舞台であると言う先入観が有るからなのかもしれないんですがね。ちょっとテンポが悪いけど、歌のシーンにキャプチャーができるならDVDで持ってても良いかも…。と思える良作だと思います。

『ハイクライムズ』裁判物です。モーガン・フリ−マンが大坂仕事でイイ味出してるんです。それ以外はなんかどうでもイイ感じです、アシュレー・ジャッドは脱ぎませんし、メグラ・ライアンとホリー・ハンターの壁は越えられない(でもドリュー・バリモアの線が細い感じ、歳が上だけど)、と言った様なポジションの映画です。私、この手の映画(法廷サスペンス)って何が面白いのかわかんないんですよね!まあ、興味も無いのに見たンでどうでもいいやぁ!
 でも、妹役のアマンダ・ピートが見事なホワイトラッシュっぷりで今後のコメディエンヌ路線に期待。あと新米弁護士軍人を演じたアダム・スコットがオドオドっぷりも良いが、狡猾で嫌らしい悪役なんかやるとエドワード・ノートンとキャラが被る位注目になるかも。
 配給会社もこの時期って苦しいんだろうね?ビデオスルーにするかどうするか考えちゃた作品かな?

『華の愛・遊園驚夢』綺麗な映画でしたね、退廃的、耽美的、或種精神的な呪縛に捕われた女二人の愛とも友情ともつかぬ物、その滅美の美学が切々と描かれる。そこで、何故宮沢りえ?どうして相手がジョイ・ウォンなんだ?宮沢りえってもう滅んでるじゃん(私と同じ歳なっだけどね)。ジョイ・ウォン(35)も香港辺じゃとっくに終わってるんだけど、一昔前ならブリジット・リン辺が男装の麗人だったのだがこの映画に限っては彼女でもよろしいんじゃないでしょうか?子役が可愛くてそこそこ上手いのはあれだけ人口が有る国なので今さら言う事もないです。画も、この手の映像を撮るなら一昔前は皆クリストファー・ドイルだったけど、本作は「美少年の恋」の監督と言う事もあり、画作りと言う点ではほぼ監督の意向で決定されているのだろう。
 この手の映画で思い出すのは陳凱歌監督の「花の影」。本作の邦題も明らかに意識している通り、扱った題材がかなり似ている。「花の影」は男女の関係でもあった分、舞台となった時代の流れに敏感に影響され流され、時に露骨に人間性を垣間見る、うねる様なストーリー展開も見て取れたのだが、本作はよりプラトニックな女同士の関係であり、二人の間に流れ込む時代は僅かで、回想シーンも多い分主人公達ですらずっと夢心地の耽美的な白昼夢の中で暮らしている様な中途半端なテンポで押し通す。おかげで122分が更に長く感じる。
 『花の影』と『華の愛』を見比べてみて下さい。その後、泉鏡花の作品も呼んでみて下さい。


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