ああ、もちろん家事をしてから出かけました。
『ロード・トゥ・パーディション』・imdb: いや、これって多分に男泣き映画って感じがするのですがどうでしょう?ラストのシーンは、ジュード・ローがてっきりファインダー越しに打ち抜かれるかと思ったのですがそこまで演出してない。そこまですると香港ノワールになってしまう?でもそれはやっぱり男泣き映画ってことですよ。だって、ハンクスが恩人のニューマンをマシンガンで葬るシーンはスローで描かれるし、全編通して全くと言って良い程女性が描かれていないのは男映画の巨匠、ジョン・ウーばり!唯一、前半で死んでしまうトム・ハンクスの奥さん役で(大好きな)ジェニファー・ジェーソン・リーがどうガンバっても幸せそうな顔の出来ない、苦虫噛み潰した様な母親であっさり退場するくらい。だから、本はベタな父子もので某所で書かれていた通り‘子連れ狼’。 もう、男は父親の背中をみ見て育つと言わんばかり!息子も「(死んだ)弟の方が好きだった?」と聞くシーンなんかも常套句って感じだし、それに答えて「お前は俺に似ていたから逆に似て欲しく無かった・・・云々」と答えるのもベタ。まあ、一応敵役にもなるポール・ニューマンがまた燻し銀の煮え切ら無親父っぷりを披露。ここら辺は、日本の仁侠道や香港ノワールより甘い作りになってしまうのがハリウッド的。それでも、企業や、ヤクザが世襲制を強いたため滅び野道を辿ると言うのは昔からのセオリー。幾つものセオリーを良い役者とロングの描写が生える素晴らしいロケを適度に交えて息苦しくなりそうな物語にきちんと息継ぎをさせて魅せる監督の演出力に感心する映画でした。強いてケチをつけると、ジュード・ローの作り込過ぎと、トム・ハンクスが(酷く太っていて)どう見ても手だれの殺しやには見えなくて・・・。12才が6週間でマニュアル運転免許合格の、合宿教習も真っ青のスピードで男の成長を描くハリウッド版“子連れ狼”or“親子鷹”
『バースデイ・ガ−ル』・imdb: これは実に脚本が良い作品だ。ベン・チャップリンの実直で引き籠りで、ダサダサっぷりが素晴らしい!ニコールは離婚してからの仕事が軒並み素晴らしい。本作も、クルクル変わる衣装に合わせてキュートに、純真に、健気で、セクシーでふてぶてしいロシア女を怪演。もうひと組のロシア人の友人がバンサン・カッセルとマシュー・カソヴィッツの曲者フランス人コンビ。これがまた一昔前の「ホーム・アローン」や「101」の様なチョット間抜けな泥棒二人組のイメージも含み良い感じ。だいたいオーストラリア人とフランス人がロシア人を演じるって舞台じゃ無いんだから!まあ、結局日本人から見れば外人は言葉を除いて皆同じに見えても無理は無いけどね。 オチは、ジョン(ベン・チャップリン)が強盗を働きそのままイギリス国内を逃亡するはめになり、ちょっとしたいざこざからナディア(ニコール)が仲間達に捨てられる時点で読めてしまうが、その後のジョンとナディアのランデブーの途中、ナディアとケンカをしたジョンが、体育座りで拗ねるシーンで短いズボンの裾からソックスが見えるようなどことなく情けなさを漂わすのがダメ男哀愁満載。正直者がバカを見るけど、信じるものは救われる。単に良い人では終わらない、プチダメ夫君に捧げるスリリングなロマンス
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