気分刊日記

2003年04月06日(日) 安穏日記

 明け方、ボーとNHKを観ていたら 『ドイツ語会話』の番組紹介が始まった。お、昨年の衛藤利恵から、ことしのアシスタントは市川実和子だ、それにJ-WAVEのパーソナリティーも勤めるDJのSASCHAまでいる。なんかNHKやりたい放題だなぁ。
 そう言えば最近深夜に 『木更津キャッツアイ』やってるでしょ、あれダメ!疲れて帰って来てもあの時間にやってると観ちゃうのよ、助けて、映画化するって言うし。

 今日もいい加減な時間に起きていい加減な時間に飯喰っていい加減な時間に出かけて『スパイダー』『WATARIDORI』を観て来ました。

 『スパイダー』imdb:先週の『レッド・ドラゴン』と言い、レイフ・ファインズは物凄く折り目正しくナイーブで気品の有る細かい人物造形を任されることが多い。表情は殆ど変わらないのだがその目の奥には常に狂気が同居していて、それはもうクリストファー・ウォーケンや岸田森なんかと同じ系譜にいる役者なんだと思う。でも、『ことの次第』や『イングリッシュ・ペイシェント』の様に艶っぽさも漂う。
 監督のクローネンバーグはこれまでのドロドロした映像から凄く削ぎ落した画作りでビジュアル的にはこれまでとはかなり一新されている。これは、原作物であるためと、その原作を反映させるため長年組んでいた美術とは違う人を起用したかららしい。それでも“無意識による記憶の操作・修正を行っている人間による回想”という、複雑でダウン系の話をサッパリした画・程よい光・美しいロケ映像で、これまでよりも画的には観るものを疲れにさせない。しかし、ストーリーの絡まった蜘蛛の糸は脳に僅かながら負担をしいる。

 『WATARIDORI』imdb:この作品、新宿高島屋に入っているテアトル・タイムズスクエアで公開しているんですが、これがドンピシャの箱。なんと言っても元ハイビジョンシアターだけあって、音・迫力・座席など作品のスケールに非常にマッチしていて素晴らしい!超環境映画なのですがそれもそのはず本作の制作が、『ミクロコスモス』『キャラバン』などを制作した会社(人)なのだ。
 この作品を観ていると野生の鳥達の生態やそのバックに写る自然やそれ以外の人工物、例えばフランスのシテ島やセーヌ川を望むエッフェル塔など、小学生くらいの頃、日曜の朝に続けて観ていた‘なべおさみ’ナレーションの『生き物ばんざい』『兼高薫 世界の旅』(TBS)の連続コンボを思い出す。また、恐ろしい技術と手間がかかった空撮は、旅行に行く度に飛行機の窓から観る世界の風景を思い出させるし、それは、誰でもが一度は夢見る“鳥になりたい”願望をかなり叶えてしまう素晴らしい映像だ。
 都内に住んでいる方で、この文を読む機会の有る人はぜひテアトル・タイムズスクエアでかかっている時に観てもらいたい。でも、あまり疲れている時に観ると、コウノトリがやって来て、このちょっと長めの2時間は心地よい眠りへの誘いになてしまうので御注意を。この作品なら、先日当ったDVDシステムで観てみたい!


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