気分刊日記

2003年09月06日(土) 9人日記

 今週もがんばって徹夜して、「裸足の1500マイル」と「リベリオン」の文を書いていたのに、徒労に終わりました・・・。しょうがないから、帰りに『ナインソウルズ』を観てきました。
 付き合いの悪い私には、珍しく3つもお誘いが入って来たんだけど久しぶり会う友人とじっくり話す機会がほしかったので後の二つはお断りを入れて地元の創作料理やで3時間ぐらい飲み食いしてました。その後、恐いもの見たさで地元のキャバクラに入ったらボラレました、トホホホォ・・・やっぱり田舎だなぁ。

『ナインソウルズ』良い映画だと言うのは見る前からわかっていた。でも、その期待を裏切らずに、鑑賞中もテンションをUPさせ、持続できる作品はそうない。それだけではなく、良い意味での裏切りも有るのがより話に引き込まれる魅力だろう。
 オープニングの砂丘を駆ける疾走感に始まり、各エピソード、移動中の掛け合い、9人やそれ以外の出演者の個性バランスが絶妙の間合いで取れている。驚くのはカメラの多彩さ。アップ、ロング、を始めさまざまな角度や動きでシーンごとの感情や空気を見せる。音楽もいい、ロックなギターはついついパンキングしたくなるほど熱くさせ、感傷に浸りそうなシーンから引き離し、突き放す。ただ、9人は多かったかなとも思った。例えばジュニアと鬼丸の描き分けが厳しいとか、鬼丸とKEEが画的に似ている。プッシャーって何?って思う人もいるんじゃないかなかな。
 ストーリー的には、初めのマメ山田のエピソードがお伽話的な話しなので、その後エピソードも受け入れやすい。ただ、この話が有るので、酷くリアルなエピソードを入れると逆に生々しいので浮く恐れも有った。ま、田んぼの中にいきなりオレンジの建物(ストリップ劇場)が忽然と姿を現したのには笑った。
エピソード的には板尾さんのエピソードが一番ノーマル。鬼丸のエピソードもは、前述のリアルなエピソード(北村一輝がリアル)に近いのだが、ミスター山本の偽札を出すことで補っている。ジュニアはみずからの命で贖罪するために地元に帰ったのがうまく出ていたある意味殉教者的な印象。原田芳雄は、松たか子がウェディングドレスでOK。鈴木卓爾が一番報われない辛い役まわり。KEEのエピソードは、人を殺してしまったり、道を踏み誤った人がその罪の重さ、後悔の念から心の何処かが壊れてしまうことを印象付けた(9人全員に共通するイメージかも)。オープニングでの国村隼人もこんな意味合いが有ったかな。なぜか一番共感したのが大楽(牛山)のエピソード。自分の過去が、如何に自分が愚かだったかを悔やんでも悔やみきれない悲しさ。最終的に有り体のハッピーエンドに仕上げず、それなりの因果に落とす。でも、ただ暗くせず、観た人に心の息抜きどころを与えて終わらせる見事なストーリーテリング。構成的にはSABU監督の「MONDAY」を思い出した。
男9人なのに全然むさくない、排泄物でも語るべき物語が有ることを、寓話仕立てで優しく描くロード・ムービー。歌舞伎なんかに通じるものが有るかも。


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